災害時にもジェンダーギャップ
日本の大きな課題である男女不平等…。
「防災とジェンダー」について研究する静岡大学教授の池田恵子さんは「防災の現場に女性が少ない現状は、いざ災害が起こったときにさまざまなリスクをもたらす」と警鐘を鳴らしています。
※参考:女性ゼロが6割の防災分野「根底にある性別分業意識は、災害後の女性のキャリアも脅かす」 – 女の転職type
すでに過去の反省が、今回の災害でも生かされていない、指摘された女性職員の少なさが改善されていませんでした。
日本社会における、女性職員の必要性に対する意識の低さの表れでしかありません。
またこの記事で池田教授は「ジェンダーギャップは災害後の女性のキャリアにも深刻な影響を及ぼす」と指摘されています。
記事にはこうあります。
電気やガスが止まった状況下で、誰が家族のために水や食糧を確保するのか。
保育園が被災して休園になった場合、誰が家に残って子どもの面倒を見るのか。
共働き夫婦がこの選択を迫られたとき、大半の家庭では男性が出勤し、女性は仕事を休むことになる。
また保育園が再開しても、女性自身が「なるべく子どものそばにいたい」と考え、自らキャリアダウンを選ぶケースも少なくない。
池田さん「震災発生後は地震や津波の記憶がトラウマになってしまう子どもが多く、母親のそばを離れたがらない。母親にべったりになることが多いんです。
これは普段から父親が育児に参加していないことも影響していると考えられますが、母親も「怖がっている子どもと離れていいのか」と思い悩み、役職に就いていた人が降格を申し出たり、フルタイム勤務の人がパート勤務に切り替えたりする事例が見られます。
私も母親なので気持ちは分かりますが、一方でこれは女性自身にも「私がケアを担わなくてはいけない」という刷り込みがあることを示しています」。
確かに、震災後の失業率も男性より女性の方が高い傾向にあるのも事実です。
女性は非正規雇用の割合が高く、震災によって一時的に業務が減ったり、企業の業績が落ち込んだりした場合、真っ先に非正規雇用の人材が解雇の対象になるためであって、平時から社会に潜んでいる課題が災害時には増幅されて表面化すると、池田教授は指摘しています。