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日経平均4万円超えで起きている日本人のメンタリティの変化。実体経済は停滞も、未来に希望が見える理由=高島康司

日経平均株価はバブル期の史上最高値を更新し、日本では人々が浮足立っている。しかし、実体経済の状況を見ると惨憺たるものだ。そうした日本の背後で進行する日本人のメンタリティの変化について解説したい。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)

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日本でいったい何が本当に起こっているのか?

東京株式市場の強い値動きが続いている。日経平均株価は1月の8.4%に続き、2月も7.9%の月間上昇率となった。年初来上昇率は19.9%に達し、2月22日には1989年12月29日に付けた過去最高値38,915円87銭を更新している。高騰の勢いは止まっていない(※編注:原稿執筆時点2月22日。株価ほか数字のみ最新のものに差し替えています)。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

こうした状況で、日本はやっと長期の低迷期を脱し、新たな発展期に入ったのではないかとする、少し浮足立った観測が多くなっている。株価はバブル期を突破し4万円台となり、それとともに日本も新たな成長期に入るのではないかという楽観的な期待感だ。

しかし他方、実体経済を見ると、こうした楽観的な観測が吹き飛んでしまうような状況が続いている。2月15日、内閣府は2023年10月~12月の国内総生産(GDP)を発表した。第2四半期連続でマイナス成長となり、日本は予想外の景気後退に入った。

内閣府によると、2023年10月~12月のGDPは前期(7~9月)比0.1%減だった。この状態が1年続く場合の年率換算は0.4%減となり、予想されていた以上に低下した。また、7~9月期は前期比0.8%減、年率換算では3.3%減だった。エコノミストらは2023年10月~12月期について1%以上のプラス成長を見込んでいたので、完全に予想が外れた状況だ。

この内閣府の速報値では、景気実感に近いとされる名目GDPは前年比5.7%増、実額は過去最高の591兆4,820億円だった。国際比較で用いられるドル換算では4兆2,106億ドルとなる。これは日本のGDPが、ドイツに抜かれて世界3位から4位に転落したことを意味する。さらに日本の景気後退と円安が続けば、2025年にも日本は5位のインドに抜かれるとの見方もある。

このように日本の実体経済は、新たな成長期に入ったどころか、景気後退期に突入したのだ。むろん名目GDPがドイツに抜かれ世界第4位に転落した理由は円安にあるとしても、日本の実体経済が地盤沈下している印象もいなめない。それいというのも、日本が抜かれたドイツ経済は成長しているわけではなく、不況に突入しているからだ。

2月15日に「ドイツ連邦統計庁」が発表した2023年の国内総生産(GDP)は物価高や外需低迷で0.3%縮小した。「統計庁」は23年のドイツは複数の危機が続く環境下で全体的な経済発展が低迷したと説明。物価高が経済成長を妨げ、金利上昇による不利な資金調達環境や内外需の悪化も打撃となったとしている。

円安はいま始まったものではない。2022年10月には、すでにドルは、現在に近い147円程度の水準だった。そのときはまだ日本の名目GDPはドイツに抜かれてはいなかった。EUの病人と呼ばれ、低迷しているドイツ経済に日本が抜かれたことは、円安だけでは説明がつかない。やはり日本のGDPが2期連続でマイナスであることが象徴しているように、日本の実体経済の地盤沈下が背景としては大きい。

Next: このあとの展開は?バブル期の高騰とは明らかに異なる構造…

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