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小林製薬「紅麹」原料、国内外の52社に供給。各社から相次ぐ自主回収の発表…あの「ちゅ~る」にも使用疑惑が一時浮上と広がる消費者の疑心暗鬼

小林製薬が製造した「紅麹」の成分を含む健康食品を摂取した人が、腎臓の病気などを発症した問題で、この健康食品に使っている原料を、食品メーカーや飲料メーカーなど国内外の52社に供給していることが判明した。

各メーカーでは、この紅麹を用いた製品の自主回収の動きが相次いでおり、報道によれば宝酒造の「松竹梅白壁蔵『澪』PREMIUM〈ROSE〉」、福岡市の通信販売会社・ZERO PLUSの「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」、紀文食品の「国産いか使用いか塩辛」など2商品、名古屋市の豆菓子専門店・豆福の「豆だくさん」や「えびしおアーモンド」など13の商品が、すでに自主回収となっているとのこと。

いっぽうでこの52社以外にも、複数の卸売業者を通じてさらに別の企業に販売されていることが分かったということで、自主回収の規模がさらに広がる可能性があるということだ。

そんななか、週明け25日の東京株式市場では、小林製薬の株に売り注文が殺到。値幅制限いっぱいのストップ安をつけ、昨年来安値を更新したという。

腎臓の病気などで入院した人数は26人に

古くから食品の着色料などとして使われてきた紅麹だが、近年ではその成分にコレステロールの抑制作用など健康に役立つ効果が数々あるとされ、紅麹由来の健康食品などが多く出回ることに。

ただ、小林製薬サイト内にある紅麹の様々な効果を紹介するコンテンツによれば、紅麹菌は非常に弱いデリケートな菌ということで、雑菌に弱いため培養するのが難しく、以前までは紅麹を工業的に扱うのは難しいとされてきた……ということである。

そんな紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒をつくるものもあり、腎臓の病気を引き起こす恐れもあるということだが、今回の件を受けて小林製薬が改めて成分を分析したところ、そのシトリニンは検出されなかったとのこと。

しかし、シトリニンとは別の未知の成分の存在を示す分析結果が得られたといい、「意図しない成分が含まれている可能性が判明した」といった説明を同社はしているようだ。

小林製薬の紅麹成分を含む健康食品を摂取した人の中で、腎臓の病気などを発症し入院した人数は、25日時点で26人にのぼるということ。しかしその原因は上記のように、シトリニン以外の何かなのか、あるいは……というように、今のところはハッキリとは特定されておらず、それだけになおさら不安が募っているといったところ。

そんななかでとある味噌メーカーでは、紅麹を用いていると思われる商品が、小林製薬による今回の件の発表後に、ひっそりとHPの商品紹介から削除されるといった出来事があり、購入者の間で動揺が広がるといった事態も発生していた模様。結局、この味噌メーカーの商品に関しては、25日になって商品の自主回収が発表されたようだ。

「ちゅ~る」製造元に問い合わせの電話が殺到か

いっぽうで25日には、あのネコ用おやつとして著名な「CIAOちゅ~る」にも、紅麹が含まれているのでは……といった噂が、SNS上で拡散するといった事態も発生。

同商品の原材料名の表示を見ると、確かに「紅麹色素」との記載が。かねてからマタタビあるいは他の良からぬ物質が入っているのでは……とも取沙汰されるほど、ネコの食いつきが良いため、飼い主からの人気も絶大なちゅ~るなのだが、それにまさかの紅麹が……ということで、多くのネコ好きの間で衝撃が走る格好となったというのだ。

この件に関してだが、25日時点で製造元のいなば食品、また販売元のいなばペットフードからも、特にリアクションが無い状況。ただ、いなば食品に電話で問い合わせをしたという方によれば、同社では小林製薬の紅麹は使用していないということ。また、人間向けの食品でも紅麹色素を10年以上使用しているが、現時点で健康被害の報告はない、との回答を得たという。

どうやら、いなば食品に対して同様の問い合わせを行った向きはかなり多かったようで、同社への電話はかなり混みあっていたとのこと。それだけ心配に思う愛猫家が多かったというわけだが、同様の事態は今後、小林製薬の紅麹を使っている・使っていないを問わず、様々な食品において起こる可能性が。紅麹を巡る“疑心暗鬼”は、当分の間は続きそうな情勢といえそうだ。

Next: 「つまり『マジでわからん』になってしまったのね」

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