パンティストッキング・靴下・下着などを製造・販売する繊維メーカー・アツギの公式Xアカウントが、女性蔑視的なリアクションを行ったとして、謝罪に追い込まれることとなったようだ。
X公式アカウントに関するご報告 pic.twitter.com/NdEH9rSuOD
— アスティーグ (@ASTIGU) March 26, 2024
報道によれば、女性蔑視的な投稿に「いいね」を付けていたとのことで、同社が社内調査を行ったところ、SNS公式アカウントに関する運用規定が順守されておらず、運用管理が不適切な状態にあったことが確認されたという。
これを受けて、同社の2つのXアカウントは当面の間、投稿やリポスト、いいねなどのリアクションは行わず、運用を停止するとのこと。さらに同社は、改めてソーシャルメディアポリシーの遵守、社員教育、管理体制を徹底すると述べているという。
「SNS担当者が変わっていない?」との疑惑も
2020年11月には、30人のイラストレーターによる同社製品を着用した女性のイラストを、SNS上で大々的に公開する「#ラブタイツ」なるキャンペーンを行ったものの、その一部イラストが性的な内容だとしてフェミニストの方々が大激怒し、キャンペーン中止と謝罪に追い込まれたことがあるアツギ。
また昨年11月には、公式X上の広告にあった「黒タイツだと芋くさくなる人」との文言が批判を受け、配慮に欠ける表現があったと謝罪したことも。それだけに、SNS上の一部のフェミニストからは“女性蔑視企業”なるレッテルが貼られて久しい状況だ。
そんななかアツギといえばつい先日、小中学生女子向けに開発したという透けにくいブラジャーが評価され、「国際女性デー表彰式| HAPPY WOMAN AWARD 2024 for SDGs 」の「企業部⾨表彰【女性応援ブランド賞】」を受賞したとのこと。
SNS上ではこのことを称える声とともに、かねてから対立関係にあったフェミニスト界隈に対し「皮膚呼吸ももうままならないのではないでしょうか?」「フェミは現実の少女を守る気が全く無いのだ」などと煽る、いわゆるアンチフェミニストらを揶揄する投稿も相次いだわけだが、こともあろうかこれらのポストに対して、アツギの公式Xアカウントがいいねをしてしまうことに。
これには当然ながらフェミニスト界隈が再び大激怒となり、アツギ側は先述の通り謝罪とアカウントの一時運用停止に追い込まれたというのだ。
このように3年ちょっとの間で、いわゆるSNS上などの“女性蔑視”沙汰で3度も炎上する格好となったアツギ。2020年の「#ラブタイツ」騒動の際には「「信頼」が企業にとって最も貴重で重要な財産であるとの認識のもと、社員教育の改めての徹底と、ソーシャルメディアポリシーの遵守、運営管理体制等の全面的な見直しを進めてまいります」と謝罪していた同社だったが、それから2度も同様の炎上を繰り返したということで、SNS上からは「まったく反省していなかった」との声がもっぱら。
さらに、先の「#ラブタイツ」騒動からSNS担当者が変わっていないのでは……といった“疑惑”も浮上しており、なかには「担当者が重役の子供かコネ入社で切れない?」などといった邪推も。そのいっぽうで、担当者が変わってこの状況であるのなら、もはやアツギはミソジニー、女性や女性らしさに対する嫌悪や蔑視が社風なのでは……といった声もあがるなど、同社に対しての厳しい意見が相次いでいる状況だ。
なぜ度重なる炎上を起こしているにも関わらず、アツギは広報担当者を変えたりSNSへのアクセス権限を取り上げたりしないのか、不思議で仕方ありません。
もしかして、重役の子供やコネ入社などで切るに切れない人物が広報を担当しているのかな?と邪推したくなります。
— ルル⚪ (@venom_emi) March 26, 2024
アツギはラブタイツ騒動が(擁護してる人らも含めて)気持ち悪すぎて一度も買ってないなぁ。グンゼにしよ、ってなる。今回の炎上も新商品のPRがキッカケだし、Xでの広報は向いてないよ…。
あと担当者変わっててあれなら、女性が憎くてたまらないって社風なんだろうし、女性向けの商売はもう辞めたら?— つぁん (@min_choco_) March 27, 2024
アツギのSNS運営は中の人変わってないの?変わっててもこれなら、もう社風と思われても仕方ないで
— すがぬ (@mushroomosaic) March 26, 2024
22年には国内生産を終了
このように定期的に炎上を繰り返している感もあるアツギといえば、コストカットが目的で、22年には国内唯一の生産拠点だった「アツギ東北」の生産業務終了を発表。国内生産を完全に止め、中国子会社に生産業務を移管してしまったことでも大きな話題となった。
2019年3月期以降の業績において最終赤字が続いていたという同社だったが、さらにその後のコロナ禍では、リモートワークの普及で通勤の機会が減ったことで、主力のストッキングをはじめとした商品の売上も減少したという。
また行動制限の緩和後も、物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなどから高価格帯の商品を中心に苦戦が続いているとのこと。直近の決算によれば、売上高は前期比11.2%増の228億円、営業損益が3億円の赤字(前期は21億3,100万円の赤字)と、赤字幅こそ縮小しているが未だ苦境は続いているようだ。
そんななかでの度重なる炎上沙汰なのだが、過去も含めたこれまでの騒動で、例えば株価が大幅に下がったなどの事態は無いものの、とはいえ先述のような“女性蔑視が社風”といったイメージが広く定着してしまえば、いよいよ業績への影響も当然心配されるところ。最初の騒動の際での謝罪で“企業にとって最も貴重で重要な財産である”としていた「信頼」の回復が、今後のアツギの急務だといえそうである。
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