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退職代行、依頼件数が過去最高ペース?「クズみたいなサービス」「就業規則で使用禁止に」と雇用側からは苛立ちの声が多数

新年度を迎えてまだ間もない今の時期だが、早くも「退職代行サービス」に新入社員からの依頼が相次いでいると報じられている。

都内のとある退職代行サービスでは、今年度はじめから今月12日までの依頼件数は計545件で、そのうち新卒者からの依頼は約80件。ちなみに昨年度は4~5月で52件だったということで、激増している状況のよう。

新卒者の退職理由で目立つのは、「就労環境が入社前に聞いていたものと隔たりがある」といった内容。サービス利用者の約6割は20~30代の若者で占められるが、最近ではベテラン世代からの依頼も増えているという。

いなば食品の件など絶えない採用トラブル

サービス自体はすでに6~7年ほど前から、ネット上を中心に話題になっていた退職代行。利用する際の価格は、運営業者のバックが労働組合あるいは弁護士などであったりといった違い、さらには利用者が正社員か、あるいはアルバイトなのかといった点でも異なるようなのだが、基本的に2万円~5万円あたりが相場のようである。

そんな退職代行が、ここに来てその利用者がかなり増えているというのは、サービスそのものの知名度が以前と比べてアップし、よりカジュアルに利用する向きが増えたこともあるいっぽうで、相も変わらず新入社員を騙し打ちにするような採用をする企業が一定数存在することも、その大きな理由と言えそう。

ここ最近の話だと、一般職の9割が入社辞退をしたとの報道があったいなば食品が、その端的な例といったところ。なんでも、真新しい社員寮に入れるようなことを言いながら、実際にはオンボロの一軒家をあてがわれ、そこに新入社員同士2~4人に分かれての共同生活を強いたとのこと。そのうえ入社直前になって、募集要項に明記してあった額よりも3万円ほど少ない給与額を提示されたというのだ。

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いなば食品は、この報道を受けてのコメントを公式サイトにて公開したのだが、当初掲載されていたものがおおよそ日本語の体裁をなしておらず、SNS上からは「怪文書?」との声が。

その後、読みやすい文章に変更されたものの、内容としては総務担当の副社長が今年1月に亡くなり、新卒受け入れの業務が滞ってしまったという、いわば“死人に口なし”的な言い訳に終始。さらには“給与減額”の件に関しては、完全スルーという内容だったようだ。

このように日頃からテレビCMをバンバン打っているような、一応は大企業とみなされているような会社でさえ、このような「聞いてた約束と全然違う」という話が出てくるということで、さらにはそこまで酷い話ではなくとも、いわゆる“雇用のミスマッチ”といったケースがどうしても発生すると考えれば、退職代行というサービスが繁盛するのも頷けるといったところである。

ただ、その反面で雇った側の会社からすれば、正社員にしろ非正規にしろ、採用には金も時間も当然掛けており、それが1か月も経たずして辞めていくというのは、そういったコストがすべてパーということで、まさに痛恨事もいいところ。ということで、SNS上でもいわゆる“雇う側”の立場からは「クズみたいなサービス」などと、退職代行の大流行に対して苦々しい思いを吐露する向きも多い状況。

そんななか、最近では就業規則に“退職代行の使用禁止”を記載、さらにはハローワークの求人にも“退職代行の使用禁止”を記載する旨を検討する会社も増えているといった話も出てきているよう。

もっともこの件に関しては、相談を受けた弁護士が「うちの会社はブラック企業ですと自白しているようなものだから止めた方が良い」と宥めている状況のようだ。

GW明けに退職代行利用者がさらに激増か

このように、今や雇用側も大いに意識する存在となっている退職代行サービスだが、利用者増加のピークは年度初めの今ではなく、この先の4月末~5月頭の大型連休明けが、いわゆる山場になるのではないか……といった見方も。

昔からよく言われる五月病の時期であることも作用しているものとされるいっぽうで、年によって異なる連休の長さに関しても、それが長ければ長いほど自らの人生の今後をじっくりと見つめ直す機会となるのか、退職代行サービスの需要が増えるようで、実際平成から令和への改元に伴って10連休となった2019年のゴールデンウイークの際には、特に利用者が多かったと取沙汰されていたようなのだ。

そう考えると今年は、4月30日~5月2日の平日3日間を休みにできれば、最長で10連休になる日程ということで、需要が増える条件が整っているといった状況で、退職代行サービスのさらなる活況はもとより、その対応に憂慮する会社が増えることも大いに考えられそうである。

Next: 「こういう事が起きるからやっぱり退職代行使った方が安心」

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