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最大3.2億円規模「二重入金」ミスのauカブコム証券。全体件数などいまだ不明もそれでも“使い込む”人間が皆無で粛々と返金作業が進みそうな理由

ネット証券大手「auカブコム証券」で、顧客への入金を二重に行うトラブルが発生しているようだ。

auカブコム証券によりますと2日午前、一部の顧客が銀行口座から証券口座への入金を行った際に、会社側が誤って二重に入金してしまうトラブルが起きたという。

会社では誤った入金処理の原因を調べるとともに件数の把握を進めていて、対象となる顧客に対しては今後、返金を求めるとのこと。同社は「全体件数などの把握を進めている。対象の顧客には個々にご連絡する予定だ」とコメントしている。

三菱UFJ銀行のシステム障害も遠因か

auカブコム証券のお知らせをみるに、一部顧客への二重振り込みが発生したのは、7月2日の午前中のことだったようで、SNS上では同日の午後あたりからその報告がボツボツとあがり、その事実が広く明るみになった今回の件。

いずれも上記以前のタイミングで、 auカブコム証券の証券口座に入れているお金を、各々の銀行口座へと移すように申請したところ、その顧客口座への入金が二重に行われてしまったよう。

金額のほうはひとぞれまちまちといったところだが、なかにはタイミングが良いのか悪いのか、1.6億円の出金を行った人物もいたようで、そのケースだとなんと3.2億円という巨額の振り込みミスとなってしまったようだ。

いっぽうで、先月29日のタイミングにauカブコム証券からの他の銀行口座へ移す「出金処理」を行った者のなかには、明けて1日には終日、銀行への入金がなく、それでいて翌2日になるとその午前中に例の二重振り込みがあったというケースも。

auカブコム証券と同グループである三菱UFJ銀行では7月1日早朝から、法人向けインターネットバンキングサービスにおいて“ログインできない”などのシステム障害が発生していたといい、そういったシステム障害がauカブコム証券の二重振り込みに繋がった可能性もあるとみて、現在調査と確認を進めているという。

降って湧いた多額な振り込みも“よぎる”人間が皆無な理由

この手の二重振り込みというトラブルでいえば、決して珍らしい出来事ではないようで、同じく証券会社だと、2020年にマネックス証券において同様の事案があったよう

この場合、二重振り込みとなったのは同年9月18日夜から23日15時までに、マネックス証券から顧客に向けた出金の一部ということで、原因は人為ミスだったよう。二重振り込みが行われていたとされる期間が今回よりも各段に長いこの件なのだが、幸いにも被害に遭った者が少なかったのか、あるいはネット上で騒ぐものが少なかったのか、あまり大きな騒動になることなく自体は終息していたようだ。

その反面で、とにかく大規模な二重振込トラブルといえば、2020年に横浜銀行がシステムエラーを起こしてしまい、神奈川県から法人に支払う業務委託費など約54億4,600万円を二重振り込みしたことが。二重払い先は法人だけでなく個人も含め口座約8,200件という、相当大規模なトラブルとなったようだ。

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このような以外に多い“発生頻度”をみてみても、人生に一度ぐらいは自らの身にも降りかかっても、さほど不思議ではないのでは……といったところの二重振り込みや誤送金の類。その際に、仮に金額が金額なら……2022年に山口県阿武町で発生した新型コロナ関連給付金の誤送金“4,630万円”問題のように、悪しき考えがよぎってしまうケースもなくもないのかもしれないが、今回のauカブコム証券の件では、そうはならなそうといった見方が大勢のよう。

使い込みに走る人間が出ないだろうという理由として、SNS上では「出金額よりauカブコム証券に預けてる(残ってる)資産の方がだいたいの人は大きいだろうから」「株やってる人なら使い込むような属性の人はいなさそう」「使ったら絶対逮捕されますので」などの声があがっており、要は“使い込み逃亡”は無謀だという意識にくわえ、そもそもそれ以上の資産を持ってる人が多いのではという見方が多いようで、確かにそれは至極納得といったところ。

auカブコム証券はすでに、二重振り込みをしてしまったユーザーに対して個別での対応を行っているということで、今のところ公表されていないミスした件数自体が膨大な数にあがるようなことがない限りは、今後何の滞りもなく粛々と返金の作業が進みそうといった情勢のようだ。

Next: 「これ出金したらややこしいことになるんやろな…」

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