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「大浴場の男女区別は身体的特徴で判断」との毅然な姿勢で称賛集めるアパホテル。直近の決算では過去最高の経常利益を達成など業績も絶好調

「戸籍が女性でも身体的特徴が男性の方は女湯に入れません」アパホテルが大浴場の前に掲示しているという“注意書き”に、称賛の声が広がる事態となっている。

注意書きには「大浴場の男女の判断は身体的特徴に合わせた性別でご利用ください。戸籍が女性でも身体的特徴が男性の方は女湯に入れません」との記載が。

近年では、トイレや入浴施設などで女性スペースの利用を望むトランス女性が増えており、そういった方々へのホテルとしての対応を、この注意書きにおいて示しているといった格好だが、これに対してSNS上からは「APAホテルの他にこうやって声明出している公衆浴場や温泉ある?」「素晴らしい ホテルだけでなく、すべての小さい銭湯でも、大きめスーパー銭湯でも告示してほしい」などの好意的な声が多くあがっているというのだ。

厚生労働省も「身体的特徴で判断」との方針

このところ何かと取沙汰される事の多い“性の多様性”を巡る問題。

昨年の話だと、東京・新宿の高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」において、多様性を認める街づくりの象徴として、性別に関わらず使用できる「ジェンダーレストイレ」が設置されたものの、「安心して使えない」「性犯罪の温床になる」などと抗議が殺到したことで、わずか4か月で廃止になったといった騒動が起きたことも、記憶に新しいところである。

そんなななかで、このような問題にまさに直面する格好となっているといえるのが、温泉や銭湯などの温浴施設や、今回のアパホテルのような大浴場を備えた宿泊施設。

というのも、このところ「心は女性」と主張する男性が、温浴施設の女性浴場に侵入するといった事案が相次いでおり、昨年11月には三重県桑名市で無職の43歳の男が、さらに先月には名古屋市内において37歳のアルバイト男が逮捕されている状況。

こういったケースに関して、厚生労働省が定めるところによれば「おおむね7歳以上の男女を混浴させない」と定めた指針があり、また男女の区別については「身体的特徴で判断するもの」とする通知を出している。要は心や戸籍は関係なく、男性器があるなど外見が男性の場合は男湯、外見が女性の場合は女湯に入るべしということだ。

ただ、先の桑名市の場合だと、無職男性が女性の格好をしていたため、受付の従業員は女湯のカギを渡したとのことで、身体的特徴で判断と言われてもなかなか難しいというのが実情のよう。また仮に、女性の格好をしているが男性ではないかと指摘しようにも、先述の通り「心は女性」だと主張されると、施設側としてもいわゆる差別問題に発展する恐れも意識するだろうということで、対応に大いに憂慮するといったことになりがちである。

そんななかで、今回取沙汰されているアパホテルの注意書きなのだが、内容としては先述の厚生労働省が定めた指針を踏襲したものであるものの、他の温浴施設や宿泊施設などの多くがある意味で曖昧にしてきたこの手の問題に関して、施設としての姿勢をハッキリと明示させたことが、SNS上での称賛に繋がっているようなのだ。

創業以来、連続して黒字達成中のアパグループ

ホテルチェーンの運営にくわえ、マンションの開発・分譲事業という両輪で成り立つアパグループ。ホテル事業は1984年に、マンション事業で発生する売却益の税金対策として始めたという経緯があるとのことだが、現在では816ホテル12万771室(計画含む)が国内で展開と、日本最大数のホテルチェーンに成長

グループとしてはなんと創業から52期連続で黒字を達成し続けているということで、今年2月に公表された2023年11月期連結決算でも、グループ連結売上高1,912億円(前期比38.3%増)、経常利益553億円(前期比56.5%増)と過去最高の経常利益を叩き出す結果に。これはコロナ禍の時期においてもホテルの新規出店を継続していたところに、コロナの5類移行によるインバウンド需要の急回復があったことが大きかったようだ。

ちなみに、そんなアパホテルを利用するインバウンドにまつわる“噂”として、ネット上などでよく取沙汰されているのが、アパホテルは中国人観光客が少ないというもの。

というのも以前、アパホテルの客室内に必ず置かれている同グループ創業者・元谷外志雄氏の書籍に、日中戦争における南京大虐殺を否定する記載があることを、中国政府が問題視。書籍の撤去を求めたものの、アパ側がその要求をキッパリ拒否するといった騒動が発生。

中国国内の予約サイトがアパホテルをボイコットしたこともあり、それ以来中国からの予約がめっきり減ったということなのだが、逆に日本人利用者からは「アパホテルには中国人が来ないから静かで良い」と評判があがったというのだ。

アパ側が主張する内容の是非はともかくとして、こういったある意味での“毅然さ”が、一部の界隈から大いに支持を集める要因となっているといたところのアパホテル。今回の注意書きの件でも、同様の流れでアパへの支持の声が広がる展開となっているようだ。

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