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岐阜市の火葬場で遺体の頭部を金属棒で突き崩す行為。多死社会を迎えフル稼働の火葬場…業務時短のため他の施設でも行われている可能性も?

岐阜市内にある市営の火葬場において、職員が火葬中に遺体の頭部を金属の棒で突いて崩す行為をしていたことが明らかになったというニュースが、大きな波紋を呼んでいるようだ。

報道によれば、火葬の際に遺体が炉の中で動くと火葬が進まないため、炉の穴から金属の長い棒を入れて遺体の位置を調整することがあるが、その際に職員が頭部を突いて骨を割り崩していたということ。

火葬中の遺体の扱い方に関しての業務マニュアルはなく、現場の職員間で作業方法を教えていたということだが、過去に火葬業務に携わっていた元職員によれば、火葬の時間を短縮するため、別の職員から「早くしろ」と言われやむを得ず割った、といったこともあったよう。

いっぽうで市の担当者は「きれいにお骨を残すためやむを得ず行うことがある」と説明しているという。

遺体の燃え残りを防ぐため仕方がないとの反応も

火葬が済んでしまえば骨になってしまうものだとはいえ、ご遺体の頭部を金属棒で突いて崩してしまうという行為は、いわば死者の尊厳を傷つける行為ではないかとの批判の声も多くあがっている今回の件。

そのためSNS上でも「めちゃくちゃ腹立ったというか悲しくなった」「同じ人間同士、尊厳を持って仕事してください」といった、今回明らかになった行為への怒りの声が多くあがっている状況だ。

しかしその反面で、遺体の頭部を突き割るという行為は、骨に覆われた頭部が燃え残ることを防ぐため行われているといった側面もあるとのこと。

そのことを汲んで「きれいに焼くために必要なことじゃないの?」「生焼けの御遺体とか見たくないし」といった意見もみられるなど、その反応は様々といったところのようだ。

いっぽう、こういった行為が行われていた背景として、遺体の燃え残りを防ぐといった理由以外に挙がっているのが、火葬時間の短縮を図ろうとしていたというもの。

これに関しては、先述の通り火葬場の元職員によって、火葬時間の短縮のためだと他職員から急かされてやった、といった証言が挙がっているわけだが、岐阜市の斎苑長はというと、地元メディアの取材に対し「ご遺体やご遺族のことを考えるとできるだけやりたくはない作業。時間を短縮するためにやっているわけではない」とコメントしており、そういった意図を否定しているようだ。

日本国内の年間死亡者数は20年で約1.5倍に増加

ただ、昨今はいわゆる“火葬場不足”といった状況が、特に都市部では深刻化していることはまぎれもない事実。

2025年になると団塊世代がすべて後期高齢者となり、いわゆる“多死社会”に突入するとされている日本。厚生労働省の人口動態統計によれば、2023年の1年間に国内で死亡した日本人の数は157万5936人にのぼるといい、この20年で約1.5倍に増えているという。

さらに今後も年間の死亡者数は増え続け、ピークとなる2040年には約167万人に達する見込みとされているというのだが、その反面で火葬場の数はというと、むしろ年々減っている状況。火葬場の新設には、周辺住民の同意が必要などといった高いハードルがあることから、その数を急に増やすことは難しく、火葬場不足の状態は当分続きそうだというのだ。

そのため最近では各地の火葬場がいわばフル稼働といった状況なのだが、現場レベルではそんな立て込んだスケジュールをこなすために、火葬時間を極力短縮させたいといった動きに出ることは容易に考えられるところ。

そういった意識が、遺体の頭部を金属の棒で突き崩すといった行為に繋がった……とも考えられそうなのだが、となると今回のようなことは決して岐阜市だけではなく、他の地域の火葬場においても行われている可能性も大いにあり得そうである。

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