我々の住んでいるこの社会は、好むと好まざるとに関わらず、お金を中心に回っています。我々はこのお金中心の世界にどっぷりと漬かってしまっています。ですから、お金に対する基本的な心構えは意識して確立しておいた方が良いのです。(『資産1億円への道』山田健彦)
金銭トラブルに巻き込まれやすい日本人が知るべき3つの法則
(1)何より「金銭感覚」が大切
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る出典:石川啄木『一握の砂』より
有名な歌ですが、もし啄木がお金を中心に回っている現代に生きていたら、「ぢっと手を見る」とは書かず、「ぢっと通帳を見る」と書いていたかもしれませんね。
我々の住んでいるこの社会は、好むと好まざるとに関わらず、お金を中心に回っています。我々はこのお金中心の世界にどっぷりと漬かってしまっています。ですから、お金に対する基本的な心構えは意識して確立しておいた方が良いのです。
人は、極度のプレッシャーやストレスがかかると、思考が止まってしまうと言われています。「頭の中が真っ白になった」という状態です。とくに、どうひっくり返っても返せないくらいの額の借金などで切羽詰まると、人間の頭は完全にロックしてしまいます。一度でもお金の苦労をした人は、この恐ろしさを身をもって知っているものです。
それと同時に、お金の価値もよく知っています。そのような人は、ある場所に移動するときもより安いルートを探したり、近場の場合は「歩いて行こう」などと言い出すこともあります。もちろん額の問題ではありません。費用対効果を常に考えているかどうかが問題なのです。
このような金銭感覚を子供の時に親から教わった人は、将来お金で悩む事はかなり少なくなると思います。ところが、ほとんどの家庭ではこのことを教えていません。またこのようなことは学校でも習いません。
筆者の知人で奥さんの金遣いの荒さに辟易して、最後は離婚騒動にまでいってしまった人がいます。その奥さんに言わせると「私は何も無駄遣いはしていない。買ったものは全て必要だから買ったのだ。ダンナの給料が低い方が問題なのだ」と言っていました。ちなみにダンナさんは、東証1部上場の大手建設会社勤務で、給与額は決して低くはありません。
この奥さんは、与えられた金銭的制約の中で生計をやり繰りする、ということを親から教えられてこなかったのです。遂には実家のお母さんから資金援助を引き出していました。この場合は、そのお母さんがいとも簡単にお金をあげているのも問題だったのですが…。「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、子どもも小さいうちでなければ良いクセはつかないものなのですね。