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一気に世界株高・外貨高。しばらく堅調地合いの持続を予想=馬渕治好

来たる花~今週(7/18~7/22)の世界経済・市場の動きについて

多少の揺り戻しはあろうが、株高・外貨高傾向の持続を予想

(まとめ)
今週は、多少の揺り戻しはあっても、世界的な株高・外貨高の動きが持続すると予想します。トルコのクーデターが未遂に終わったため、そうした明るい流れが阻害されるには至らないと考えます。

注目されるイベントとしては、米企業決算発表の本格化、ECB理事会、国内の内需関連諸統計などが挙げられます。

(詳細)
先週は、「過ぎし花」で述べたような、全面的な世界株高・外貨高となりましたので、さすがに一休みする局面はあると想定されます。特に米国株は、最近の株価上昇スピードが企業業績の増益ペースより速すぎ、PERでみた割高さが生じていますので、大幅な株価の下落とならなくとも、一旦株価が足踏みをする展開がありうると懸念されます。

それでも、世界株価の上昇や外貨の対円での上昇は、行き過ぎた株安(特に日本株が売られ過ぎ)・行き過ぎた円高からの、戻りの流れの中にあると考えます。しばらく明るい動きが持続すると予想しています。

トルコのクーデターについては、未遂に終わったと報じられています。このため、米国外為市場の引け直前に生じたような、外貨の反落(円高)は、今週は持続しないでしょう。

もし、今後のトルコや隣接するシリアなどの情勢についての不安が強まり、短期的な市場の振れが生じたとしても、幸か不幸か7/18(月)は日本は休場ですので、欧州、さらには米国市場を経て、短期的な思惑による売買が消化され、株価や外貨相場が落ち着いたあと、7/19(火)に東京市場が始まる、という展開になると見込まれます。

米国では、先週から始まった、4~6月期の企業決算発表数が、ぐっと増えてきます。引き続き、内需優位、外需劣位、という図式が続くかと思いますが、これまで全体の足を引っ張ってきたエネルギーセクターの減益は縮小していると推察され、全般的に企業収益の堅調さが確認されるでしょう。

7/21(木)には、ECB理事会が開催されます。英国のEU離脱による市場の混乱が落ち着きに向かっていることもあって、今回追加緩和が行なわれるとは見込みにくいですが、理事会後の記者会見ではドラギ総裁は、何か不安要因があれば迅速に対応する旨を表明すると見込まれます。市場は安心感をもって迎えそうです。

日本では、7/20(水)に全国百貨店売上高とコンビニエンスストア売上高、7/21(木)に全国チェーンストア売上高といった、小売関連の業界統計が発表されます(すべて6月分)。マクロ経済的には個人消費の動向、個別企業面では小売株の先行きを考えるうえで、注目されるでしょう。このところ、消費者心理が委縮しており、購買動向にデフレ色(低価格品志向)が強まっていますので、小売店の売り上げに陰りが生じていないかどうか、警戒を持って市場は見守るものと見込まれます。

また、内需ではありませんが、7/20(水)に、6月の外国人訪日客数が発表されます。日本を訪れた人の数自体は伸びていると見込みますが、このところ特に百貨店や免税店で、来日観光客が買い物する金額が減少していると言われます。このため訪日者数の伸びに陰りが生じていると、百貨店などの株価にとって、逆風となりそうです。

7/19(火)は、マザーズ指数の先物取引が開始されます。中長期的には、株価指数先物の導入は、その市場の価格変動率を抑制し、株価を落ち着かせる効果があるという研究が多いです。ただし短期的には、企業実態などとは全く関係なく、一部投資家のポジションの動きや、投資家の思惑によって、想定外の先物価格の振れや、それに伴う裁定取引が、時価総額の大きい現物株の株価を振り回す恐れがあります。理由がわからない短期的な株価の振れに、惑わされないことが必要でしょう。

Next: 外国人投資家が抱く、日本の経済政策に対する「失望と期待」

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