中国と正反対。ロシアはなぜビットコインを恐れているのか?
同じく、金(ゴールド)を世界中から集めているロシアの対応は、中国とは正反対です。
2014年2月、ロシア当局は、ビットコインをはじめとする仮想通貨を使った資金決済を違法行為とし、「ロシアの公式通貨はルーブルただひとつである」と国内外に周知させました。
ロシアは、歴史的に新世界秩序(ニュー・ワールド・オーダー)の脅威に晒され、何度も国家分断の危機を回避してきました。プーチンが大統領になって以来、それは、いっそう鮮明に打ち出されています。
その理念は、「通貨の匿名性こそが基本的人権を守る」という考え方に立脚しており、紙幣の通貨を決して廃棄しようとしません。
中国もロシアも、ビットコインに規制を加える理由に、「マネーロンダリングに代表される裏金脈の構築によって、地下経済の広がりに仮想通貨が大きな役割を果たそうとしている」ことを挙げていますが、本質的には、西側の新通貨システムよって、国家が乗っ取られることを警戒しているのです。
ロシアの場合は徹底しており、来年に迫ったロシアの大統領選に向けて、プーチンの対立候補が、ビットコインにより選挙活動資金を集めることまで禁止しています。
今のところ、プーチン優勢ですが、今後、西側メディアによるプーチン・スキャンダル捏造によるキャンペーンが活発になっていくでしょう。プーチンの政府は、「悪い芽は早いうちに摘んでおけ」とばかり、徹底して仮想通貨の普及拡大を警戒しています。
そのロシアも仮想通貨の独自開発を目指している
しかし、そのロシアにも、去年8月にビットコイン交換所がオープンしました。
また、クリル諸島(千島列島)という比較的、閉鎖された経済圏で日米共同の仮想通貨推進プログラムを展開する計画が水面下で持ち上がっています。
これは、ロシアが反対しているのは、中国と同様、あくまで西側世界の仮想通貨システムで、独自に開発する仮想通貨システムには反対していないことを示しています。
ロシアと中国は、明らかにヨーロッパ・中国を含めたユーラシア経済圏構想の戦略の下で、世界中から金(ゴールド)を買い集めているのです。
2001年6月15日、ロシア、中国、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6ヵ国による多国間協力組織、もしくは国家連合として「上海協力機構」が上海にて正式に設立されました。
これは実質的な軍事同盟であり、かつ、経済的同盟関係にある機構です。ロシアは、ワルシャワ条約機構の復活を構想しているのかもしれません。