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安倍さんに教えたい「若者が結婚・子育てできない」下流日本の処方箋=北野幸伯

少子化問題は解決できる

「人口をいかに増やすか?」という課題について、一般的なのは、「移民で」というものです。これは、欧米で明らかに失敗した政策で、決して真似るべきではありません。実際欧州は、イスラム教徒の大量流入で、「キリスト教文明」自体が滅びつつあります。

もちろん、優秀な外国人はどんどん入れるべきですが、特に差別的動機(=日本人が嫌がる労働は、外国人に安くやらせればいいという)の「3K移民」大量受け入れは、絶対避けるべきです。欧州は、まさにこれで滅びようとしています。

というわけで、「人口増は、少子化問題解決で」が王道です。「不可能だ!」という人も多いですが、世界を見渡せば「出生率を劇的に増やした例」もあります。たとえば、私の住んでいるロシアです。1999年、ロシアの合計特殊出生率は、なんと1.17(!)だった。それが、2012年は1.7、2013年も1.7。死亡率の低下も手伝って、人口が「自然増」しはじめている。

●ロシアの出生率 記録更新 – Sputnik日本

ロシア保健省は、ロシアの2014年の出生率が、過去最高となったと発表した。2013年の出生率は、1990年代以降初めて死亡率を越えたが、2014年はさらによい結果が出た。自然増加数は3万3,600人で、死亡率も低下している。

ロシアでは2014年、出生率が前年比0.8パーセント増となり、出生数は192万9,700人から194万7,300人となった。これは、新生ロシア史上、最高値だ。

出典:Sputnik日本 2015年6月19日

どうやってロシアは、出生率を増やしたのでしょうか? 以前にも触れましたが、「母親資本」(マテリンスキーカピタル)という制度によってです。簡単にいうと、「子供を2人産んだ家庭には、地方の人が家を購入できるほどの金を与える」という制度。

私は、実際に出生率を増やすことに成功した「母親資本」の制度を、日本の現状にマッチするようアレンジし、以下のような提案をしています。

日本で「家が買える金額」といえばいくらでしょう? 東京など大都市ではもちろん無理ですが、たとえば長野県松本市の近郊なら、2,000万円ぐらいあれば、まともな家が建ちます。ですから、「3人子供を産んだ家庭には、住宅購入資金2,000万円まで支援します」としたら、「じゃあ、そうします」という家庭も増えるのでは?

財源どうするんだ、ボケ!」そんな声が聞こえてきます。別に2,000万円、一括でその家族にあげなくてもいい。「住宅購入資金のローン(たとえば20年、30年)を、2,000万円まで国が肩代わりします」とすれば?

そうすれば、国は、20年とか30年とかかけて、3人子供を産んだ家庭に代わって、ローンの返済をしていく。すると、「3人子供を産んだ一家庭」につき、国の月々の負担は、10万円ぐらいなものでしょう(計算していませんが)。子供1人当たりの支援額は、月3万3,333円となります。これですと、かかわる人みんなにメリットがあります。

  • 3人産んだ家族=夢のマイホームが手に入ってうれしい
  • 銀行=国が払ってくれるなら、とりっぱぐれない
  • 国=出生率が劇的に増え、未来は安泰

この話、「社会主義的だ!」と生理的に受けつけない人もいると思います。しかし、「新自由主義」的に好きにやらせてたら、少子化はとまりません

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