地方から都市圏への人の移動は、止めることができる
次に、地方衰退を止める方法について考えてみましょう。私は長野県松本市出身ですが、「地方は本当にいい」と思います。
- 空気がきれい
- 水がきれい
- 職場まで徒歩、あるいは自転車でいける場合が多い
- 労働環境が都会ほど過酷ではない
- 小さい子供が走り回れる場所があちこちにある
などなど。それに、子育て中の人なら、両親に子育てを手伝ってもらえるのは、非常に大きいと思います。孫の成長を見守ることのできる両親も、幸せでしょう。こんなにメリットがあるのに、なぜみんな都会に出てしまうのでしょうか?
答えは明らかですね。地方は、都会に比べ、「仕事を見つけるのが難しいから」でしょう。どうすれば、地方に仕事を作り出すことができるのでしょうか?
「企業に来てもらえばいい」のですね。
どうやって?
「地方でやった方が、有利な環境」をつくればいい。
どうやって?
「人口が減少している県」の法人税を、劇的に安くすればいい。
人口が劇的に減少している県は、既述のように、秋田県、福島県、青森県、高知県、岩手県などです。ですから、これらの県の法人税を、「ゼロ」にすればいい。そうすれば、首都圏から、企業が大挙して移ってくるでしょう。
ゼロが難しければ、「10%減」でもかなり違うと思います。その際、必ず「一定数の雇用を減税条件にする」ことが大事です。でないと、「節税のために、登記だけ福島に移しました。誰も雇っていません」という会社が増えてしまいます。
いずれにしても、「人口が増えている地域の法人税は高めに、人口が減っている地域の法人税は低めに」することで、企業の動きはある程度コントロールできるはずです。そして企業が来ることで雇用が生まれ、「地方にとどまりたい人」も増えることでしょう。
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