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みんなが知らないFXの「真実」(上)~勝てるのは上位20%だけ、しかも…=俣野成敏

4. FXの特徴

では、そろそろFXについての解説を始めたいと思います。まずは、仕組みから簡単にお話しましょう。

FXとは「外国為替証拠金取引」のことだと、本文の文頭でお話しましたね。要は、外貨の両替取引を行い、両替の際に発生した差益によって、利益を得る方法です。

日本で、一般人も外貨を持つことができるようになった歴史はまだ浅く、1996年から始まった、大規模な金融制度改革(金融ビッグバン)の中で、1998年4月から施行された外為法(がいためほう:外国為替及び外国貿易法の略)以降のことです。この法律の改正によって、公認銀行以外でも外為業務を行うことができるようになり、企業や個人が外為決済をする際にも、事前届出をする必要がなくなりました。

FXのサービス自体は、当時すでに海外にありましたが、98年の法改正以後、日本でも徐々にFXサービスを提供する者が現れます。当時は、金融庁もそうした新しいサービスには注目しておらず、何の規制もない中で、大儲けをする人や大損する人、悪質業者などが続出する、初期の混乱期が続きました。

2005年~2006年のピーク時には、FX業者は200社を超え、その頃になって、金融庁もようやく重い腰を上げて、規制に乗り出します。2005年7月に改正された金融先物取引法などで法整備も進み、その後に発生したサブプライム問題やリーマン・ショックによって、多くの業者が淘汰されます。

さらに2011年には、レバレッジが規制されます。それまでは、多くの業者が100倍、200倍といったレバレッジでサービスを競っていましたが、現在、国内の会社は一律最大25倍までに制限されています。(レバレッジについては、次の項目で説明します。)

FXの主な特徴としては、

  • 少ない資金で大きな取引ができる(レバレッジ、後述)
  • 24時間リアルタイムで外国為替取引ができる
  • 為替手数料が非常に安い
  • 買いだけでなく、売りでも収益を上げられる

……などがあります。

ここでは、普段あまり馴染みのない「買いだけでなく、売りでも収益を上げられる」とは、どういうことなのかについて、説明したいと思います。

投資といえば、通常は「安いうちに買い、高くなった時点で売る」というのが、基本になります。土地も株も、基本戦略は同じです。ところがFXの場合は、「安く買って高く売る」だけでなく、「高く売って安く買う」ことができます。

一体「売りからも投資ができる」とはどういう意味なのかというと、「これから安くなる商品Aを予測」し、Aが高いうちに一時的にAを借り受けて売却し、まずは資金を手に入れます。その後、Aが安くなった時点で、さっきの資金を使って再びAを買い入れ、Aを返却することによって差益を得る方法です。

たとえば、1ドル120円のときに、1万ドルを持っている太郎くんと、ドルは持っていないけれど「これから円高ドル安になるぞ」と思っている二郎くんがいました。二郎くんは、太郎くんから1万ドルを借りて、それを銀行に売って120万円を手にしました(高く売る)。

その後、円が1ドル100円に値上がりしました。そうなると、同じ1万ドルが、100万円で買えることになります。二郎くんは、持っていた120万円の中から100万を払って1万ドルを買い(安く買う)、それを太郎くんに返却し、20万円が利益として残りました。これが「売りで収益を上げる」方法です。

価値が上がるときだけでなく、相場が下がるときにも利益を狙いにいけるのが、FXの大きな特徴です。

5. FXの仕組み

さて。もうひとつのFXの特徴として「レバレッジ」取引が挙げられます。

レバレッジについては、不動産投資のときにも出てきましたね。不動産のレバレッジとは、「自分の信用力と物件の収益性を担保に、自分の資産以上の資金を借り受ける」ことでした。

不動産投資のときは、担保によって借りられる金額がそれぞれ違いましたが、FXの場合は、自分のお金を担保にして、最大25倍の取引を行うことができます。この担保とするお金のことを「証拠金」といいます。FXの日本語訳が「外国為替証拠金取引」という名前なのは、ここからきています。

このレバレッジが何かというと、要はFX会社から借金をすることです。FXはこのレバレッジを使うことによって、少ない資金(元手)で大きな取引ができる反面、読みが外れた場合は、多額の損失を被る可能性があります。

レバレッジを使って取引をする場合、担保として預けた資金は、取引の売買代金としては使われず、証拠金として別にとり扱われます。FXの決済方法は「差金決済方式」といって、基本的に外貨(現物)の受け渡しは行われずに、取引をした際に生じる差額(損益分)のみのやりとりとなります。

ここでもう少し具体的な数字を例に、レバレッジの仕組みを見てみましょう。

たとえば、持っていた1万円を担保に、20倍のレバレッジをかけ、20万円で投資をしたとします。読みがあたって、価値が倍の40万円になったとしましょう。そこで儲けた分のうち、証拠金を差し引いた19万円は、借りたレバレッジ(借金)ですから、証拠金を含めて手元に残るのは、21万円となります。

しかし、これがもしマイナスになったらどうでしょうか?1万円に対して20万円借りて、失敗してしまうと19万円の借金になるということです。自分の持っている以上のお金で取引できるのがFXの利点であると同時に、大きなリスクでもあるのです。

実際レバレッジは、FX会社にとってもリスクです。かつてはレバレッジによってユーザーが破産してしまい、会社がお金を回収できないことが、よくありました。

そこで現在では「余剰証拠金」といって、取引によって生まれた収益をプールしておくのが一般的となっており、損失が出たときは、まずはこの余剰証拠金の中から差し引くようなシステムになっています。

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