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日本人は「バブル崩壊」の何に懲りたのか? それでも相場は繰り返す=炎

いまだ30年前の呪縛から抜け出せない日本

アベノミクスは、株価面では日経平均を8,000円割れから20,000円台まで持ち上げ、失業率を3%にまで落とすことに成功しました。残念ながらこれが給与のアップにはつながらず、結果として消費は低迷したまま。海外生産体制に移行してきた大企業は国内の設備投資には慎重で盛り上がらず、GDPは先進国の中では最低水準の低成長に甘んじています。

民間投資に勢いがない中で、唯一の頼りは公共投資。老朽化する社会資本の代替に向けた投資が進行しつつあるのが、唯一のGDP成長の望みとなっています。

日本には、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言い回しがありますが、長きにわたり赤のままで、まるで壊れたような信号機を前に、誰も道を渡ろうとしない国民や企業がじっとその時が来るのを待っているような日々が続いているということです。

政府は国民に「赤信号から青に変わったから皆さん早く渡りましょう」と呼びかけていますが、国民は30年前の呪縛から脱することができないでいます。ただ、徐々に信号が赤から青に変わる経済的な覚醒のタイミングが近づいているようにも思えます。IT技術の革新・生産性向上に向けた様々な分野での技術革新が次代を担う上場企業や今後上場を狙う新興企業の間で巻き起こっているとの期待が感じられるためですが、皆さんはどうお考えでしょうか。

とにかく流動性の高さに注目が集まったバブル時代

バブル経済が株式市場にもたらした未曾有の金余り現象から一転して、まったく経験したことのないバブル崩壊相場につながり、今日の株式市場・日本経済につながっている訳です。

相場の視点で言えば、バブル期の相場は過剰流動性相場ともいうべきかと思います。とにかく資金が運用者や投資家の手元に潤沢にあって、投資対象も時価総額の大きな銘柄。そして、まさかこの株がこんな値段になるとは思えない、というような株価の上昇をもたらしました。

1カイ2ヤリの新日鉄株が4ケタ目前まで値上がりし、公共株の代表であった東電株も9,000円を突破。三菱重工が1,300円という高値をつけた時代です。いわゆる商いのできる経団連銘柄が活発に取引される時代で、不動産株や商社株・電鉄株などいずれも未曾有の株価上昇を見せました。もちろん、ソニーやパナソニックといった国際優良株も相応に株価上昇を見せましたが、相場の主役にはなりませんでした。

とにかく流動性の高さに注目が集まった時代でした。バブル時代というのはさほど価値のないものに価値以上の価格をつけて、投資家間でその株式をたらい回しにして酔いしれたのです。

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