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東京五輪コスト削減に奔走する小池都知事の「節約志向」は間違っている=落合陽平

節約志向に大反対。税金は“使う”ために徴収している

正直、私はこの“節約志向”には大反対です。なぜならこの節約志向は、まさに“デフレ”の根源であり、日本を不景気に陥れた人たちの考え方そのものだからです。

例えば小池都知事の手腕により、1000億円削減できたとしましょう。この削減された1000億円は何を意味するのでしょうか?

経済は、お金が巡り巡ることで機能し、発展していきます。東京都が支払う(仮に)3兆円というお金は、使ったら消えるわけではなく、必ず「誰か(建設会社や警備会社等の従業員etc…)の所得」になるわけです。その「誰かの所得」は、また何か使われる(消費される)ことによって、別の誰かの所得になります。こうやってお金は巡り巡って、人々を潤すのです。

仮に1000億円削減されるとどうなるでしょう。その分、世の中に出回るお金は減ることになります。経済にとっては、決して好ましいとは言えません。この節約志向は「緊縮路線」とも言われますが、まさに日本の20年にも渡るデフレの原因がこれなのです。

一見すると、節約はとてもいいことのように見えますが、個人と国家(自治体含む)を同列に扱ってはいけません。これは「合成の誤謬(ごびゅう)」という経済事象で、ミクロでは正しいことが、マクロの世界では、必ずしも同じ結果になるとは限らないということです。

個人が、家計のため、将来のために節約し、貯金することは、その人の人生にとっては正しい判断かもしれません。ところが、個人の集合体である国(あるいは地方)ではどうでしょう。日本人全員が、所得の20%を節約をしたら、その分世の中を巡るお金は減ることになります。ましてや、税金を徴収している国(地方)までが節約なんかしたら最悪です。

税金は“使う”ために徴収しているわけですから、節約して良いことは一つもありません。この状況が、まさに今の東京五輪に通じるな、と思うわけです。

というわけで、個人的には3兆円かかろうが4兆円かかろうが、別にいいと思っています。むしろ、こんなにお金を使える機会なんてそんなにないのだから、使えばいいじゃん、というのが私の考え方です。世界中の人が日本に集まるというのに、仮設施設ばかりの“しょぼーい”五輪をやるんでしょうか?世界第一位のGDPを誇る東京が、本当にそれでいいんですか?

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落合王子のマネーアカデミー』(2016年10月31日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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これまで1000世帯以上のライフプランニングを手掛けてきた若手ファイナンシャルプランナー「落合 陽平」がお届けする”お金”と”経済”のはなし。フラットな立場で、ライフプランに役立つ情報から、世界の政治経済まで、「誰にでも分かりやすく」をモットーに、独自の視点で「お金」の本質を解いていきます。学生から今一度勉強したい大人まで、これを読めばニュースの本質が分かる!

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