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あと2年。短期決戦を目論むトランプ大統領が繰り出す「10の戦術」=藤井まり子

怪物トランプ流「支持率アップ」のための戦術6~8

戦術6

折しも、人気に陰りに見えてきた行き過ぎたグローバリゼーションの流れを、一見は保護主義的と誤解されそうな政策で、一旦は止めること。

グローバリゼーションが行き過ぎてしまって「産業の空洞化」に苦しんでいるのは、アメリカばかりではありません。あの中国でも、労働集約的な軽産業では、バングラデシュやカンボジア、ベトナムと言った国々に追い上げられて、苦しんでいるんですね。ユニクロの中国工場は、中国国内の人件費が高くなったので中国からは出て行って、これら中国周辺国に工場進出しているのは有名ですよね。

自動車・電気などの付加価値の高い産業では、超近代的な人工知能やロボットを全面導入した「異常に生産性の高い工場」を建設したならば、今は先進国のどこで生産しても、国際競争力は十分に維持できるんです。

戦術7

大衆受けするように、行き過ぎたマネーゲームの流れを止めること。すなわち、ドル高政策をしない。アンチ・ウォールストリート戦術です。

「強いドルは国益」のもとで推進してきた金融立国には、もう重点を置かない。すなわち、ウォールストリートに厳しい政策を行なう。大手投資銀行に厳しい金融政策を行なって、そのかわり、中小の地場の貯蓄銀行などが貸し付けを行ないやすいような「簡素で分かりやすい金融規制」を行なう。トランプ政権というか共和党議員たちの「金融規制緩和」の中身は、大手投資銀行にはとても厳しい内容になりそうです。大手投資銀行は従来よりマネーゲームがしにくくなるかもしれません。

その代わり、地方の弱小の貯蓄銀行(日本で言えば、信用金庫とか弱小の地銀などなど)は、今よりもっと簡単に住宅ローンを貸し付けられるようにするようです。

アメリカの「普通に人々」にとっては、持ち家(マイホーム)こそが貯蓄の柱です。オバマ政権時代には、金融規制が厳しくって、信用が低いせいで住宅ローンを借りられなかった人々が、これからは借りられるようになるようです。これは、教育ローンやオートローンにも言えることかもしれません(将来は、1980年代にアメリカで巻き起きたような不動産バブルが巻き起こって「貯蓄銀行危機」が起きることでしょう)。

戦術8

国境税を導入すること。

国境税は、共和党が長らく温めてきた保護主義と誤解されそうな政策です。今のアメリカ株式市場は、「国境税が実現するようだ!」と、マーケットがそれを保護主義的な政策と誤解して嫌って調整し始めると、すかさずトランプ新政権が「円安はけしからん!ユーロ安はけしからん!」との批判を繰り返して下落を食い止めようとしています。

国境税は、『アメリカの輸入品には20%の「国境税という関税のようなもの」をかけるけれど、アメリカからの輸出品に20%の「国境税という関税のようなもの」をかけない』とするシステムです。

「保護主義的な政策」と言うことで、この国境税をマスコミは激しく批判しています。ですが、実はアメリカ以外の国(ユーロ圏や日本)では、付加価値税消費税といった間接税を使って、すでに国境税と同じようなことをしています。EUや日本でも行なっていることなのです。ですから、国境税を導入することで「アメリカの輸出産業は、やっと他の国と同じ土俵に立った」ということになります。

Next: 中間層、富裕層に取り入るための「減税」戦術9~10

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