ケース7:相続人がいない
相続人が誰もおらず、特別縁故者として申請してくる方もいなければ、被相続人の財産は最終的に国のものになります。
国のものになっても構わないのであれば問題はありませんが、何かと気にかけてくれていた近所の方や、何年もお世話になっていた介護施設、また慈善活動を行なっている団体など、相続権を有さない方に財産を渡したいと考えているのであれば、必ず遺言書を準備するようにしましょう。
ケース8:相続人同士の仲が悪い
遺言書がなければ、どのように財産を分けるのかを相続人同士で話し合わなければなりません。相続人同士で仲が良くても、この話し合いがきっかけでトラブルに発展することもあるので、現時点で仲が悪ければなおさらです。
遺言書があれば、相続人に対して財産の分け方を提示することができますので、ゼロから話し合いを進めるよりは、スムーズに遺産分割協議を終えることができます。
相続人同士で財産の分け方を決めることに少しでも不安があれば、必ず遺言書を準備しておきましょう。
ケース9:子供の嫁や夫に財産を渡したい
何かと気にかけてくれ、自分の世話をしてきてくれた息子の嫁に財産を渡したいといったケースがよく見受けられます。
しかし、どんなに献身的な介護をしてきてくれたとはいえ、養子縁組をしている場合を除き、嫁に相続権は発生しません。
少しでもいいから嫁に財産を渡したいと考えるのであれば、事前に全相続人予定者に了承を得た上で、遺言書を準備し、嫁に財産を渡せるように対策をしましょう。
ケース10:認知していない子供に相続させたい
愛人との間にできた子供や、前妻との子供を、現時点では認知していないが、自分の死後、生活が困らないように財産を渡したい、というケースです。そう考えるのであれば、必ず遺言書を準備しましょう。
認知は遺言によってもできます。死後認知をする場合には、遺言書を書くだけでなく、遺言執行者を指定する必要がありますので、必ず遺言執行者を指定するようにしましょう。
家族に隠し子がいると言い出せずに死後認知をしたことで、残された遺族が愛人や隠し子がいることを知り、トラブルに発展してしまうこともよくあります。ですので、できるだけ生前に家族に伝え、相続が発生したらどうしてほしいのかを話し合うようにしましょう。