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だからあなたのブログは読まれない。稼げる「自分メディア」のつくり方(後編)=俣野成敏

【自分メディアをつくる段階で、なぜ売り物はなくてもいいのか?】

私がブログを書き始めたのは、まだサラリーマン経営者として奮闘していた頃のことです。部下を持ったことのある方はご存じだと思いますが、人が仕事でつまずく箇所というのは、案外、似通っているものです。そのため、上司はしばしば何回も同じことを言う羽目に陥り、しかも相手は言われたことをすぐに忘れてしまったりします。

そこで私は最初、自分の言ったことを部下に記録させようと試みました。記録した文章をみんなに回し読みさせれば、自分が何度も説明する手間が省ける、と考えたのです。

ところが部下に書かせてみると、できあがった文章は、自分が話したこととは似ても似つかぬ内容になってしまいました。他人に書かせるということは、相手にそれだけの理解力と、理解したことを正確に表現できるだけの技能が必要となります。こうして、私の最初の試みは失敗に終わりました。結局、文章は私が自ら書くしかありませんでした

書き上がった文章をプリントアウトして各店に配布、というのも面倒なので、当時出てきたばかりの「ブログ」という新しい形式のWebサイトを利用することにしました。結果的に、これが私のブログデビューとなりました。要は自分の部下に宛てて、社内教育用の教材として書き始めたのが、すべての始まりだったのです。

ここでのポイントとは、

  • 身内以外が読むことを想定していなかったため、かえって自由に書けたこと
  • 読み手の成長を促すことが目的であり、商用目的ではなかったこと

の2つです。

私はもともと他人が読むとは思っていなかったため、自分のブログのアクセスが増えるかどうかといったことには、まったく注意を払っていませんでした(もちろん、部下が読んでいるか、というのは気にしていましたが)。

ところが、3ヶ月、半年と続けていくうちに、やがて自社の社員数を大きく超える数のアクセスが集まるようになりました。常に部下の姿を思い描いて書いていた文章が、いつの間にかそれ以外の人の心にも届いていたのです。

これが前回、お話した「誰に向けて書くのか?」「誰をどのような姿にしたいのか?」の意味するところです。

Next: マーケティングとセールスは別物。「ブログで売ろう」と思わないこと

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