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初対面でも会話に困らない。手軽に「経済ネタ」をレパートリーに入れる方法=高梨彰

値上がりした項目は?

一方、上昇が確認される項目を探すと、「光熱・水道」「保険医療」「交通・通信」などが主なものとして出てきます。

「光熱・水道」は石油価格上昇が主な要因です。CPIの寄与度は7%程度です。原油先物価格が上がれば「光熱・水道」はほぼ自動的に上昇します。

「保険医療」と「交通・通信」は、モノではなく人が関わる「サービス」の価格です。サービスのうち、「お医者さんに行って診てもらう手間賃ばかりが上昇している」と「営業トーク」では使えそうです。

同じ「サービス」の項目でも、「教育」や「教養娯楽」の伸びは緩慢です。また「理美容サービス」などの床屋さん関連も伸びていません。「学びや遊びに関わる価格は上がっていない」と、何とも寂しい「営業トーク」が展開されます。

生活必需品ばかりが値上がりしている

総じて「生活に必要なモノやサービスの価格ばかり上がって、余暇に贅沢ができない」のではと思わせる中身です。私も髪は1,000円カットばかりで切っていて、美容院には学生の時以来行っていません。

極端な言い様ですが、「日銀の物価安定目標の達成は1,000円カットが毎年2%ずつ値上がりする世の中」という「営業トーク」も強ち間違いではないかと。

てことで、日銀の目標達成はとっても難しい状態です。目標を変えるか、手段に限界が来るか、どちらかまたは両方により政策変更が行われる可能性の方が圧倒的に高そうです。

それでも「今までの成果」ばかりを、日銀は「営業トーク」に使うでしょうけど。

今回のまとめ

  • 景気ウォッチャー調査と消費者物価指数(CPI)が「営業トーク」に便利
  • コメントや項目毎のデータを見るのがコツ
  • 髪の1,000円カットが毎年2%ずつ値上がりする日本、想像できますか

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高梨彰『しん・古今東西』』(2018年4月20日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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