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日本は「現金払い」の呪縛から逃れられないのか? 地方で芽生えた消費者の変化=岩田昭男

ケース2:千葉県佐倉市の終活婦人

2014年に千葉県佐倉市の消費生活センターで講演した際には、75歳の老婦人が講演終了後に質問してきました。

彼女は終活で身辺をきれいに整理した際、クレジットカードもすべて解約したと言うのです。ところが、大きな問題が発生しました。ネットショッピングが好きで頻繁に利用していたのですが、それを忘れていてカードを全部処理してしまったのです。

やむを得ず代引きで頼むことにしましたが、手数料がかかるし、配達員の来る時間帯に家にいなければならない。新たにクレジットカードを作ろうと思っても、審査に通らない。どうしたら良いか、という悩みでした。

なかなか難しい問題でしたが、話を聞いているうちに、「ブランドデビットなら行けるかもしれない」と思い立ちました。クレジットカードと同じように使えるが、与信審査か不要なので銀行口座さえあれば誰でも作れます

そのことを教えてあげたところ、大変に喜んでくれました。

新しい決済ツールで生きがいを取り戻した

それから2ヶ月ほどして礼状が来て、「ネットで好きなものを注文して、毎日楽しく過ごしています」という内容でした。私もほっとしました。

これなども、ある意味ではキャッシュレス化の新しい体験のうちに入るでしょう。新しい決済ツールに備わっている新しい利用方法を聞いて、自分の生きがいを取り戻したのですから、すばらしい体験だったといえます。

このように消費生活センター主催の講演では、いろいろと意義深い体験を私の方もさせてもらいました。しかし、いつも消費生活センターだったわけではありません。ときどきは商工会議所主催の講演もありました。

ただ商工会議所が企画する講演会は少し様相が違ってきます。こちらは商店街にどんなカードを導入すれば良いのかとか新しいテクノロジーを使った実証実験に加わろうとか、いつも意欲に満ちています。そのため、現場の微妙な感想などはあまり重視されません。いかに効果があり、いかにお金が儲かるかが中心になります。

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