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一度収入が減ると全てが負のスパイラルへ。子どもにこそ「人より稼ぐ」教育を=午堂登紀雄

お金のことを知らずに生きられる時代じゃない

「子どもにお金の話をすると、よけいお金に縛られるのではないか」「よけい金銭至上主義的な考えを持つようになるのではないか」と危惧する人もいると思います。

そのため、子どもに所有や儲けなどといったよけいなことを考えさせたくないと、お金の話は一切しないという方針の家庭もあるかもしれません。

そうやって信念やポリシーを持って育てることは賛成です。

しかしその裏側に「自分もなんとかなってきたんだから、子どももなんとかなるだろう」という発想があるとしたら、それは思考停止というか、責任放棄のようにも思います。

未来はもっと強烈な資本主義社会だ

かつてと違い、世の中はますます「自己責任」の方向へ向かっています

たとえば「iDeCo」という愛称でおなじみの確定拠出年金も、「政府はもう老後の面倒は見られないので、自分の年金は自分で積み立ててください」というメッセージです。医療費や介護なども国家財政は火の車で、どうなるかわかりません。

一方、環境は激変する時代であり、将来はより不透明になっていきます。

私が子どもの頃のような高度経済成長期とは違い、学生時代のようなバブルの時代とも違い、社会に出たときのようなバブル崩壊後の低成長時代とも違う。

いまの子どもが大きくなるころにはアベノミクスは終わっているし、トランプ大統領は存在しない。人口が1億人を割り込む日本に、どんな社会が待ち受けているのか誰もわからない。

そして、リーマンショックの発生やソーシャルネットワークの普及、仮想通貨の出現などにより、資本主義は消滅するなどという識者もいましたが、そんなことは起こらない。

これから来るのはもっと強烈な資本主義社会です。だからこそ、世界中で格差が拡大しているのです。

そして、金融商品も金融サービスもますます多様化し、複雑化し、使いこなせる者とそうでない者の差をさらに広げていく。つまり金融リテラシーの巧拙が、かつてないほど個人の経済格差を生む時代とも言えます。

Next: 稼ぎ方を教えられるのは親だけ。義務教育のみでは資本主義に殺される

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