マック、ドンキ、ケンタのキャッシュレス戦略をみる
それではまず、大手チェーン店の状況を紹介してみましょう。
<マクドナルド(ファーストフード)>
注目を集めるのがマクドナルドです。高田馬場駅前の稲門ビル2階に入っています。日本マクドナルド社は、業績が急回復して、キャッシュレス化も一気に進んでいます。
2018年6月からはビザワールドワイドが進める「タッチ決済」が各店舗でスタートしました。これは日本を含めて世界70以上の国と地域で展開するサービス(TypeA/B方式)で、店員にカードを渡すことなく、端末にタッチするだけで支払いができるというものです。サインも暗証番号の入力も不要で支払いができるのがよいところです。
これによってマクドナルドは、クレジットカードはもちろん、FeliCa(フェリカ)型電子マネーと、海外の人がたくさん持ってくるTypeA/B型電子マネーの両方が使えるようになりました。
国際ブランドのビザワールドワイドは、2020年東京オリンピックを好機ととらえ、海外で主流の方式として普及させることを目指しています。そして、まずはマクドナルドで使えるようにしようと考えています。その意味でも、大きな注目を集めているのです。
ところが、実際に店頭に行ってTypeA/B対応のクレジットカードを出しても、店員が読取機にかざすのではなく、従来のクレジットカードと同じく機械に差し込んでパスワードを打つように言ってきます。
タッチ決済のことを店員が知らないのか、まだそちらは使わないようにしているだけなのかはよくわかりません。今のところは宝の持ち腐れです。
外国人客が増えてきたら、おそらくカードでタッチして決済する光景を見ることができるのでしょう。楽しみにしています。
<ドンキホーテ(バラエティーショップ)>
高田馬場の駅前ロータリーに面して、1〜2年前にできたばかり。中国人観光客が多く、夜遅くまで店内は賑わっています。
ドンキホーテはキャッシュレスには積極的で、支払いにはクレジットカードと電子マネーが使えます。電子マネーは、自社カードのマジカ(ドンキらしいネーミングです)、楽天Edy、それにSuicaなどの交通系電子マネーも使えます。
その他に中国人観光客のためにQRコード決済にも対応して、アリペイ、ウィチャットペイが使えます。QRコード決済は良いとして、電子マネーについては自社電子マネーのマジカを利用してもらおうと、同じ流通業のnanacoとWAONは外しています。それならマジカをもっとPRした方が良いのではないでしょうか。
<ケンタッキーフライドチキン(ファストフード)>
ビッグボックスの裏あたりにあります。サラダなどのメニューが増えて、パブレストランっぽくなっています。
支払いはクレジットカードと電子マネーが使えます。電子マネーはFeliCa型電子マネーに対応しています。Suica、楽天Edy、nanaco、WAON、PASMO、ICOCA、iD、QUICPayです。
QRコード決済では、オリガミペイに対応しています。自社会員アプリ用にレジにQR読取機を設置したり、QRコードには力を入れていますが、これは、外国人観光客の取り込みを狙ってのことと言われたりします。