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『金持ち父さん』ロバート・キヨサキも苦戦した「働き続ける人生から抜け出す」方法=俣野成敏

クワドラントの活用方法

キャッシュフロー・クワドラントの考え方を取り入れるために、私はセミナーなどで以下のようなワークをオススメしています。

(1)紙にクワドラント図を書いて、自分の現状を%で記載する。たとえば収入のうちの90%をサラリーマン給与から得ていて、10%を株式投資で得ているのであれば、(E)の欄に90%、(I)の欄に10%と記入する

(2)将来的に、この割合をどうしていきたいのかを考える。たとえば「(E)90%→50%」、「(I)10%→50%」というように書き込む

(3)自分の希望を実現するためには、どのような行動を取ればいいのかを考え、できることから始める

キャッシュフロー・クワドラント図

キャッシュフロー・クワドラント図

【キヨサキ氏の人生に見るクワドラントの移行方法】

キヨサキ氏がE→B→Iへと自らのクワドラントを変化させていった様子を、書籍から拾うと、だいたいこのような感じになります。

1973年:ベトナムから帰還し、海兵隊員としてハワイに配属。BやIを目指すと決め、週末に不動産セミナーやビジネス講座に通い始める。100%の借入金で、ワンルームマンションに初投資。月額25ドルのキャッシュフローを得る。

1974年:海兵隊との契約が終了し、ゼロックス社に入社。ここで4年間働き、セールスの基礎を身につける。

1977年:最初の会社を立ち上げる。翌年、ゼロックス社を退社するも、アジアで製造される大量のコピー製品には太刀打ちできず失敗。弟などに助けられながら、その後も事業で上手くいったり失敗したりを繰り返す。

1984年:3つ目の会社が破産。前年に出会ったキム氏に猛アタックし、結婚。2人で4つ目の会社をつくるために奔走する。

1985年:途中で資金が尽きてホームレスになる。車の中で寝起きしたり、友人の家の地下室を間借りしたりしていた。時たま臨時の日雇い仕事はしても、頑として友人たちが勧める定職には就かず、借りた25万ドルで教育会社を設立。

1986年:税制改正法案可決。従来、多くのサラリーマンが収益用不動産の損失を利用して節税していたが、法改正後に不動産を投げ売りする人が続出。氏は契約時のタイムラグを利用し、元手ゼロから不動産に集中投資し、資産を増やす。

1989年:ビジネスが軌道に乗り、そこで得たキャッシュを不労所得を生み出す資産に大量投入。

1994年:不労所得の合計が支出を上回るようになり、ビジネスを売却。お金のために働くことをやめる。キヨサキ氏47歳、キム氏37歳。

これらを見て、キヨサキ氏の下積み生活が意外に長かったことがお分かりいただけますでしょうか。特に、ゼロックス社で働きながらセールスを学んでから、ビジネスで自分の満足する結果を出せるようになるまでに、約10年もの歳月を費やしています。

氏の経歴を見ると、紆余曲折はあれども、氏が一歩一歩、階段(ステップ)を上っていることがお分かりいただけますでしょうか。キヨサキ氏といえども、お金持ちになるまでの道は、決して一直線ではなかった、と言えます。

とはいえ、今は当時に比べると、ずっと起業しやすい環境が整ってきています。氏も「最近は、フランチャイズなどの新しいビジネス形態が出現し、起業は前よりも随分、楽になった」と述べています。

Next: ラットレースを抜け出すために「7つのステップ」をかけ上がる

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