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低価格で不振のドトール、高級路線で成功のルノアール。どこで差がついた?=佐藤昌司

コンビニまでもが脅威のドトール

低価格帯の筆頭格、ドトールは現在国内で約1,120店を展開していますが、店舗数は長らく1,100店台で推移しており近年は成長が見られません。飽和感が漂っています。またドトール・日レスが今年5月11日に発表した、4月の月次開示情報によると、ドトールの既存店売上高は1月から4月まで4カ月連続で前年割れとなりました。

さらに同社が7月13日に発表した2019年2月期第1四半期の連結決算では、期初の天候不順やディナータイムの客数減少を補えず、減収減益と低調だったということです。低価格帯のドトールでも苦戦している状況がうかがえます。

こうした状況から、ドトール・日レスは高価格帯の星乃珈琲店に力を入れているという側面があります。

低価格帯のコーヒーチェーンは他に、ホットコーヒーを240円で提供する「プロント」(約220店)やブレンドコーヒーが200円の「ベローチェ」(約170店)などが存在し、ドトールなどと顧客を奪い合っています

そして、コンビニエンスストアが大きな脅威となっています。セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソンの3社は100円台という圧倒的低価格でコーヒーを提供しています。3社とも販売に力を入れており、適宜リニューアルするなどしてコーヒーの品質を高めることに努めています。

3社合計の国内店舗数は現在5万1,000店を超えています。鈍化はしているものの店舗数は今でも伸びています。また、店内で飲食できるイトーインを併設した店舗を増やしています。コンビニのカフェ化が進んでいるといえ、低価格帯のコーヒーチェーンにとって大きな脅威となっています。

高価格帯市場ではルノアールと星乃珈琲店に勢いがあります。一方、低価格帯市場ではドトールを中心とした業界の垣根を超えた激しい競争が繰り広げられています。他に、スターバックスコーヒーやコメダ珈琲店が勢いを盛んにしており、業界内外での競争が激しさを増しています。勢力図がどのように変遷していくのか、目が離せません。

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店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』(2018年8月22日号)より一部抜粋
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東京MXテレビ『バラいろダンディ』に出演、東洋経済オンライン『マクドナルドができていない「基本中の基本」』を寄稿、テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!スペシャル「並ぶ場所にはワケがある!行列からニッポンが見えるSP」』を監修した、店舗経営コンサルタント・佐藤昌司が発行するメルマガです。店舗経営や商売、ビジネスなどに役立つ情報を配信しています。
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