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東京五輪の費用、当初7000億から3兆円へ。予算も気候も偽って誘致した責任は誰が取るのか

理想的な気候?

東京都がオリンピック・パラリンピック誘致の際の「立候補ファイル」第1巻の中の「テーマ2:大会の全体的なコンセプト」に以下の記述があります…。

2020年東京大会の理想的な日程

東京での2020年オリンピック競技大会は、7月24日(金曜日)の開会式に続いて、7月25日(土曜日)から8月9日(日曜日)までの16日間で開催し、閉会式は8月9日(日曜日)に予定する。また、パラリンピック競技大会は、8月25日(火曜日)から9月6日(日曜日)までの開催を予定する。

この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。また夏季休暇に該当するため、公共交通機関や道路が混雑せず、ボランティアや子供たちなど多くの人々が参加しやすい。さらに、この時期は日本全国で伝統的な祭が多く開催される時期であることから、祝祭ムードが漂っている。また、重要な点として、この開催期間は他の大規模な国際競技大会とのスケジュールと重複しておらず、東京においても大会開催に影響を及ぼすような大規模イベントの開催を予定していない。

出典:立候補ファイル第1巻 Tokyo 2020 – 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(PDFファイル)

日本列島が連日猛暑に見舞われているこの時期を、「温暖でアスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とプレゼンしています。

ちょっと嫌味な表現ですが、温暖で理想的な気候としながらも、国土交通省は2015年から複数回にわたり有識者会議を開き、オリンピック期間中の暑さ対策について話し合ってきました

有識者の話し合いの結果、導き出された答えは、「打ち水のほか、浴衣、よしずの活用など日本ならではの対策を盛り込み、観光PRにも生かす」…というものです。期間限定のサマータイム導入という話もありましたね。

猛暑の真夏に開催せざるを得ない事情

ちょうど今の時期(秋頃)に行われた前回の東京オリンピックと違って、なぜ今回の東京五輪・パラリンピックを夏開催で誘致をしたのか。その背景にはアメリカの事情があると、陸上の元日本代表選手である為末大氏はTwitterで次のように呟いています。

NBCはアメリカの3大ネットワークのひとつです。アメリカのテレビ局の「夏枯れ」対策との指摘もあります。

もっとも日本側としても、東京誘致を確実にするために、7月から8月の間に開催する日程でないと東京にオリンピックは呼べないと認識したうえで、東京は野外で激しい運動ができるような気候ではない(猛暑である)ことを言わないでプレゼンしたのでしょうね。

Next: 「オールジャパン」とは何か? ブラック化するボランティア…

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