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死ぬまで働かされる人生から脱出!「経済の千里眼」菅下清廣氏の新著紹介

シニア世代でも大金持ちになれる方法とは

―――先ほども話が出ましたが、お金持ちになるために最も必要なもの、心掛けなければならないこととは何でしょうか?

菅下:それはやっぱり、お金持ちになろうと思う気持ち。そういうマインドを強く持てるかですね。それも10代、あるいは20代というように、できるだけ早いうちから持っていたほうが、お金持ちになりやすいですね。もちろん、誰もが「お金持ちになりたい」とは思っているでしょうが、強くお金持ちになろうと思っている人は意外に少なくて、最初からそんなのは無理だとか、レースに出る前からギブアップしている人がほとんどだと思います。

そういうように強くお金持ちになりたいと願った際に取るべき行動の第一歩が、先ほども挙げた健康管理です。病院に行かなくても済むような健康的な生活を、いかに若いころから心掛けることができるか否か。そうでない人は、平気でタバコを吸うし、毎日大酒を喰らってしまうと。

観相学の大家として江戸時代に活躍した、水野南北という人物をご存知ですか?この人は、人生の落伍者や失敗者に共通する人相や生活習慣を調べるために、自ら進んで小伝馬町の牢に入ったんですが、その時に牢に入っている罪人たちは100%大食いだったそうです。そんな経験を踏まえて、彼は「健康に悪い3つの食」として「大食い」「偏食」「美食」の3つを唱え、また「腹八分、医者いらず」という有名な言葉を残しました。

今の時代でも、何の計画性もなく好きなものを食べている人、毎日、焼肉屋に行っているとか、昼は必ずカツ丼を食べるとか、真夜中にラーメン2杯食べるとか、そういう生活をしている若い人は結構多いわけです。でも、そのしわ寄せは人生の後半にやって来て大病を患ったりして、それがまさに貧乏への道となります。それに対して、健康管理をキチッとしている人は、歳をとっても体調がいつも良くて病院に行かなくていい。だから、無駄なお金や時間を掛けなくて済むわけなのです。おかげさまで私は社会に出て以来、一度もこれといった病気になったことがありません。

そして、健康管理をしっかりして体調が良ければ、できるだけ自分への投資をすること。実際、親から財産を受け継がない限り、富を作るのは自分の知力のみが頼みです。だから、お金持ちになりたければ知性を磨くしかないです。

―――知性を磨くというのは、具体的にどういったことをすればいいのでしょうか?

菅下:知性を磨く方法は2つあって。ひとつは万巻の書を読み漁って、いろんな新しい知恵を得ること。読書量の差が、お金持ちになるか否かの分かれ目といっても過言ではないんですね。自分が株式で成功したいと思ったら、例えばウォーレン・バフェットのようになりたいなら、まずは彼の本を10冊ぐらい読んでみるといいです。お金がなければ古本屋で買えばいいですし、そういう風に自分に投資しないとお金持ちへの道は開けません。

もうひとつ、知性を磨くのにより役立つのが、すでに大金持ちになっている人、社会的な地位を築いて成功している人に、直接話を聞きに行くことです。私も若い頃、株で成功した相場名人がいるということで、立花証券の創業者である石井久さんに話を聞きにいきました。この人は小学校を出てから相場一本で成功して、最終的には証券会社まで立ち上げた人で、こんな人の話が参考にならないはずがないので、一度だけお会いしましたが、その時に伺った話は、後々すごく参考になりました。自分の目指す専門分野の達人や先人の話を聞くのは、とても代えがたい経験になります。

周りにいい人がいることで、良い人脈に繋がりお金を運んでくる

―――「健康管理」と「知性を磨く」の話が出ましたが、その他にお金持ちになるために心掛けるべきことはありますか?

菅下:そうですね。大金持ちになって裕福で快適な人生を送っている人の共通項は、周りにいい人がいることです。お金持ちを目指すということは、同時に良い人脈を築いていくことでもあるし、良い人脈がお金を運んでくるとも言えます。

いかに自分の周りにいい人を増やすかということで、まずやるべきことは、そういういい人が多くいる場所に、できるだけ出入りすることです。自分の求めている情報や教養を持っている人が来そうなところ、いわゆるハイクオリティな人が集まるようなところに、若い時からできるだけ出入りするようにすることですね。

ひとつの例としては、そういう人が主催するパーティに参加してみる。あるいは、そういう人が出入りするようなレストランを自分も使うといった意識を持つということ。そうしているうちに、自分もそんな人々と同じようなマインドになってくるわけです。そういう意味でも、飛行機に乗る時にはファーストクラスに乗ったほうがいい。「努力して、なんとかファーストクラスに乗ろう」という気持ちの人と、「節約してエコノミーでいいよ」と思っている人とでは、将来的には大きな差となります。

―――お金持ちになるには、若いうちからそういう心掛けでいるのが良いとのことですが、逆に40代以降やシニア世代になってから、大金持ちを目指すというのは手遅れでしょうか?

菅下たしかにシニアになってから目指すのは遅いと思います。ただ私の記憶が確かなら、ケンタッキーフライドチキンの創業者は、シニア世代から始めて大成功を収めていますから、大金持ちになって富裕で快適な人生を送りたいという強い情熱さえ持てれば、チャンスはあるんじゃないでしょうか。そういう意味では、若い人であろうがシニアの方であろうが、一番大事なのはポジティブマインドを持ち続けることですね。だから私も、40代ぐらいからは自分の年齢を忘れて、常に40代ぐらいの気持ちで行動しています。

ただ、シニアになっても、自分の能力を向上させる努力をすべきで、そういう努力をしている人だけに、お金持ちへの道が開けるはずです。もっともシニアの場合は、残りの人生は少ないわけですから、自分の弱点を補うというよりも、自分の好きなことを、さらに強化する方向で考えたほうがいいですね。かくいう私もシニアですが、将棋が趣味なものですから。

―――将棋もお好きなんですね。最近もよく指されているんですか?

菅下:最近また将棋のほうも、実力強化をしようと考えています。…この将棋というのが、子供にやらせるのにすごくいい。何がいいかというと、集中力と記憶力が養われると。それにプラスして、人によってはひらめきがすごくよくなります。

もう亡くなってしまいましたが、永世棋聖の米長邦雄さんと以前対談をさせていただいた時があって、その時に「将棋のプロ同士が対戦して、どうして一方だけ勝つのですか?」と聞いたことがあります。将棋は多くの手は研究しつくされているはずで、そのなかで勝敗が分かれるのは、なぜなんだろうと思っていて尋ねたのですが、米長さん曰く「対局の中には、必ず勝敗を決める一手というものがあって、その一手というのは今まで差されていない一手なんだ」と。つまりは、そういうクリエイティブな一手が必ずあって、それは対局中にひらめくらしいのです。だからプロで将棋の強い人は、弱い人よりもひらめきがある人だと言うのです。それを聞いて、私も「なるほど」と感じ入りました。

というのも、投資の世界にもひらめきがすごく必要です。世の中に出ている情報なんて、みんなが知っているわけで、投資の勝ち負けを分けるのは何といってもひらめきです。将棋は趣味でもあるのですが、本業の投資のひらめきを養うのにもプラスになっています。

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