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【銘柄分析】オリックス<8591>はなぜ割安に放置されるのか?=栫井駿介

数値的には低水準だが「割安」とは言い切れない

幅広く事業を拡大しながら、業績は確実に拡大しています。昨年度まで3期連続で最高益(純利益)を達成し、今年度もそれを更新する勢いです。積極的な投資が着実に実を結んできていると言えます。

しかし、株価は業績ほど冴えません。PERは8倍、PBRも1倍を割り込み、数値だけ見れば明らかな割安水準です。アベノミクス以降の株価上昇にも十分に乗れていません。

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

株価が上がらない要因は主に2つあると考えます。「コングロマリット・ディスカウント」「投資事業のリスクの高さ」です。

「コングロマリット・ディスカウント」とは、様々な事業に手を出すことで、それぞれの事業の価値を積み上げたものよりもトータルの価値が小さくなってしまうという状況です。

ディスカウントの発生要因は内部的・外部的な要因があると考えます。内部的には、経営資源が分散することで、競争力が低下してしまう懸念です。実際に、多角化を推し進めて失敗した企業は数知れず、経営学的にも「選択と集中」がセオリーです。

外部的な要因は、投資家の理解です。つまり、「何をやっているかよくわからない」ので、投資を躊躇してしまいます。バフェット的にも「理解できないものには投資しない」ことが鉄則であり、ここを解消するには企業側の開示努力が不可欠でしょう。

また、投資事業のリスクは、市況次第で業績が大きくブレてしまうことです。投資先の業績が悪化すると、巨大な減損損失を迫られる可能性が出てきます。そうなると、一時的にしろ株価の下落は避けられないでしょう。リーマン・ショックの際も「事業投資」部門では赤字を余儀なくされました。

「投資事業」が最終的に成功するかどうかは、経営者や社員の能力に左右されるため、そこによほどの証左がなければ高く評価することは難しいでしょう。

出典:有価証券報告書(2018年3月期)

出典:有価証券報告書(2018年3月期)

以上のような要因により、オリックスは投資家から評価されにくい会社と言えます。実際に、PERは長期にわたって一桁が継続しています。過去の水準から考えると、現在のPERも決して割安ではないのです。

Next: 低評価で定着か。オリックスに投資するならいつが最適?

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