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投資家に役立つ情報の宝庫「官公庁レポート」に注目するメリットとは?=山田健彦

先行きの経済指標は概ね改善・拡大基調

<先行きの海外経済について>

米国経済は拡大、欧州経済は回復を続けるとみられる。中国経済は米国の対中関税率引き上げの影響があるものの、政府が財政・金融政策を機動的に運営すると想定されほぼ安定した成長経路をたどるとみられる。その他の新興国・資源国経済については、全体として緩やかな回復を続けると予想。

<輸出の先行き>

海外経済の成長に伴って「世界貿易量」が緩やかな増加を続けるとともに、それに占める「日本の輸出シェア」もごく緩やかな上昇傾向をたどる、と予想。

<日本の輸出シェア>

日本が比較優位を持つ情報関連や資本財への需要増加もあり、輸出は上昇傾向。先行きも世界的な設備投資需要の回復を背景に、資本財輸出の増加基調が続く。しかし傾向はごく緩やか。

<対外収支の先行き見通し>

貿易収支の改善傾向、海外経済の成長に伴う第一次所得収支の改善、入国者数の増加による旅行収支の受け取り増加などにより経常収支の黒字幅は緩やかに拡大すると予想。

<企業収益の先行き見通し>

内外需要の増加を背景に、企業収益は改善傾向を続けると予想。2020年度は、消費増税の影響で景気が減速方向に向かう。また人件費の増加などで収益の伸び率は低下していくと予想。

<設備投資の先行き見通し>

設備投資は、増加を続けていくと予想。背景は、企業収益の改善、低金利や緩和的な金融機関の貸出スタンス、財政投融資や投資促進税制の効果の発現、期待成長率の緩やかな改善など。

具体的には、景気拡大に沿った能力増強投資、オリンピック・都市再開発に関連した投資、人手不足等に対応した効率化・省力化投資成長分野への研究・開発(R&D)投資などの増加が見込まれる、としている。

賃金は増加傾向、企業はその分のコストを省力化投資で吸収

<名目賃金>

一般労働者の所定内給与の前年比は、0%台半ばにとどまっているがパートの時間当たり所定内給与の前年比は2%程度の高めの伸びとなっている。

<先行きの賃金動向>

一般労働者の所定内給与は緩やかに伸び率を高めていくと予想。先行きのパートの時間当たり所定内給与も、労働需給の更なる引き締まり等で上昇率を高めていくと予想。

総じて、企業は人手不足に見合った賃金上昇をパート等にとどめ、省力化投資の拡大やビジネス・プロセスの見直しにより賃金コストの上昇を吸収しようとしている

<先行きの個人消費>

消費税率引き上げにより個人消費は一時的に減少に転じるものの、雇用者所得の増加と株価上昇による資産効果、耐久財の買い替え需要により、緩やかな増加傾向をたどると予想。

<PMIや業況判断DIに着目>

海外経済発のリスクシナリオが実現しているか否かの判断をする際には、まずは公表時期が早い新規輸出受注PMIや業況判断DIといった企業サーベイで変調をきたしているかどうかをみることが有用。

その次に、実質輸出の動向が重要。実質輸出が落ち込んだ際には、設備投資などへの波及も含め、実体経済に対する悪影響が大きくなるため、当然株価にも影響を与える。

Next: いま、各業界の企業が体感する景気の先行きに注目

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