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投資家に役立つ情報の宝庫「官公庁レポート」に注目するメリットとは?=山田健彦

さくらレポートから、中国・米国の動向に注目

ここで10月初旬に日銀から公表されたさくらレポートから抜粋します。

<【先行きに対する懸念・警戒感】>

・生産は高水準を続けているが、最終需要先の中国メーカーは、部品在庫を多く抱える傾向があり、現在の発注量が必ずしも需要を反映している訳ではない。米中貿易摩擦の激化もあり、警戒を怠らないようにしている(水戸[はん用機械])。

・中国で生産して米国に輸出している製品はないが、当社部品を用いた製品が米中貿易摩擦の影響をどの程度受けるか判然としない。事態の進展も読めない中、業績への影響を懸念している(本店[化学])

・米中貿易摩擦の影響については、サプライチェーンが多国間にまたがって複雑化するもとで見極め難くなっている。足もとで中国向け等の受注減少はみられていないものの、今後の受注減少を懸念している(大阪[電気機械]<京都、神戸>)。

・米中貿易摩擦については、今後、安価な中国製品の流入により国内市場における製品需給のバランスが崩れることなどを懸念している(札幌[金属製品])。

・米中貿易摩擦について、当社が生産する高付加価値品への影響はほとんどないが、安価な中国製品の流入による国内市況への影響を懸念している(下関[鉄鋼])。

・中国から米国に輸出している自動車部品の関税が引き上げられ、グループ全体でみた利益率が低下している。先行きはNAFTA新協定の合意を受けたさらなるコストアップを懸念している(広島[自動車関連])

・需要増加や人手不足感が強まる中、材料の搬入から機械加工までの全工程を自動化する新しい生産ラインの導入を急いでいる(秋田[輸送用機械])。

・共働き世帯の増加等を背景に、調理の手間が省ける冷凍野菜の需要が増加しているため、生産ラインを増設した(鹿児島[食料品])。

・画像認識技術を応用したセルフレジを導入したところ、作業効率が上がり従業員から好評であったため、今後も積極的に省力化投資を進める(松江[小売])。

・省力化を企図してセミセルフレジの導入を進めており、導入店では人手不足感が緩和した(高知[スーパー])。

・建設会社の人手不足等による工事遅延が徐々にみられている。取引先の工場増設の工期が遅れた結果、当社の機械を予定通り納入できないケースが出てきている(金沢[はん用機械])。

・海外の半導体メーカーにおける設備投資計画の延期を受けて、このところ当社への受注額が計画を大幅に下回っている。このため、予定していた生産設備の導入を延期した(甲府[生産用機械])。

生産者側は先行きについては懸念を深めているところが多いが、省力化投資を行わなければならないような企業は、投資意欲は盛んということが読み取れます。

「サプライチェーンが複雑なために、影響の試算ができない」という指摘も相応にみられる。これは、企業側としても、貿易摩擦の影響の経路や規模は、実際に受注が変調をきたすまではわからないということを示唆しているものと思われます。

このような状況のときは、マーケットの方向性も強気と弱気が交錯して展開が予測できにくくなります。

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image by:StreetVJ / Shutterstock.com
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資産1億円への道』(2018年11月7日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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