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「日本郵政の、日本郵政による、日本郵政のための官製相場」が始まる=近藤駿介

GPIFに代わり官製相場の主役に躍り出る「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」

そうした中で「信託銀行」が「海外投資家」の売りを吸収する形になっていることは、GPIFに代わる「主役」が登場していることを示すもの。

GPIFに代わる主役に躍り出ていると想像されるのは「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」。

11月4日にIPOが決まっている両社は「金銭の信託」という形で国内株式に投資している。その規模は2015年3月末時点で「ゆうちょ銀行」が約3.5兆円、「かんぽ生命」が約4.9兆円。

「かんぽ生命」は四半期決算を公表していないが、「ゆうちょ銀行」は4-6月期に「金銭の信託」を1316億円増やしている。こうした動きを考えると、「かんぽ生命」も同じように「金銭の信託」を増やしている可能性は高い

先週仮条件が決定し、売出価格は「日本郵政」については10月26日、「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命」は同19日に決定する予定で、11月4日のIPOに向けて佳境に入ってきている。

円安、株高、アフラックのがん保険の販売以外に成長戦略を持たない日本郵政グループのIPOを成功させるには、IPOに向けて株価の先高観を演出する以外にない

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

こうしたことを考えると、直近の大型株主導の相場上昇を演出した主役は、日本郵政グループ3社のIPOを成功させることを目的とした「短期筋」だといえる。

11月4日のIPOまで「日本郵政による、日本郵政のための相場演出」が続く可能性が高いと考えておいた方がよさそうだ。

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近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2015年10月13日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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