最初から利上げするつもりのないFRB、次は富裕層から金を巻き上げる?
まず、「マイナス金利(NIRP)が設定される」についてですが、FRBのジャネット・イエレンが、追加の金融緩和策として、マイナス金利政策の可能性を言い出しました。
あなたは正常でいられるでしょうか?つい1ヶ月前まで、「年内の利上げはあり得る」と言っていた同じ人間が、正反対のことを言っているのです。
マイナス金利になると、どういうことが起こるか。端的に言えば、お金を借りると利息がもらえて、反対に、お金を銀行口座に置いたまま活用しないと、マイナス金利ですから、マイナスの利子がつくということです。つまり、銀行に預けておくと元本が金利分、どんどん目減りしていくのです。
それで困る人は誰でしょう?
特に悩ましいのは、巨額の現金の資産を銀行に預けて、利子で生活しているような資産家です。預けておくと、資産が減ってしまうのですから、何かに投資して活用しなければならなくなります。その筆頭は株式投資でしょう。
思い出してください。
小泉政権の時、「貯蓄税」という信じられない課税が考えられたことがあります。銀行に金を預けたままにしておくと税金が取られるのです。これは、資産家を投資に振り向けるために考え出された法律でしたが、日の目を見ることはありませんでした。これも、マイナス金利の一形態と考えることができます。
投資の世界に“引きずり込まれる”資産家たち
ジャネット・イエレンが言い出したことも同じで、「アメリカ人なら、もっと投資に金を振り向けろ」と言っているのです。
マイナス金利政策は、実質的には、量的金融緩和と同じなので、どうしても株式市場で運用しなければならなくなるのです。
マイナス金利政策の下では、「資産が減っていく」ことが無言の圧力となって、強迫観念に苛まれながら、嫌々、投資の世界に引きずり込まれるのです。これは資産家を破壊するための政策です。
繰り返します。ジャネット・イエレンは、確かにマイナス金利を言っているのです。
つまり、FRBは最初から利上げなどするつもりなどなく、マイナス金利によって、次はアメリカの富裕層から金を巻き上げようとしているのです。
あるいは、利上げができない事態になった場合に備えて、2、3のシナリオがあらかじめ用意されていたのかも知れません。A案の利上げがダメなら、B案のマイナス金利、という具合に――
好評配信中の『カレイドスコープのメルマガ』10月8日号では、この続きとして、フレッケンシュタイン氏の回答の後半部分を詳しく解説。また、リチャード・ラッセル氏(投資専門ニュース・レター『Dow Theory Letters』を1958年に発刊以来、91歳の今日までレポートを書き続ける伝説的人物)の最新の見解を紹介しつつ、いまの連邦準備制度理事会(FRB)が抱えるさまざまな問題やゴールド相場について分析しています。
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『「カレイドスコープ」のメルマガ』(2015年10月8日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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