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明らかに調整局面入りした米国市場、FOMC「利上げ」路線に変化はあるか?=近藤駿介

無視できなかった米中対立リスク

2017年のトランプ大統領は、レーガン政権以来の「トランプ減税」に多くのエネルギーを費やしてきた。つまり、米国内、米国経済に向けられたトランプ大統領のエネルギーを株式市場は好感してきた。

ところがトランプ大統領のエネルギーは2018年に入り貿易交渉、そして米中貿易戦争へと「国外」に向けられてきた。これに伴って、2017年時点では北朝鮮という限られた国との対立が、同盟国であるはずのEUや隣国であるカナダとメキシコ、そして最大の貿易取引相手である中国と対立が広がり、深刻さを増したことで株式市場にとって無視しえない懸念となってしまった。

投資環境が「長期金利上昇、ドル高」に転じていた中でのこうした懸念の高まりが、株式市場を不安定な動きに転じさせたと思われる。

米国市場に広がる動揺

株式市場に米中貿易戦争に対する懸念が高まっていくことを認識していたのか、トランプ大統領は株式市場の動きが不安定になると米中貿易交渉が上手く進んでいるかのような情報を提供することで株式市場の動揺を抑え込む手法を取ってきた。

10月に入り株式市場が不安定な動きを見せると、11月末のG20で米中首脳会談を開催することを発表するなどして、米中の話し合いが進んでいるかのような情報をだすことで、株価の安定を図ろうとしていた。

実際に12月1日の米中首脳会談で米国が関税引き上げを90日間猶予したことを株式市場は好意的に受け止めた。しかし、その直後に明らかになったのは、90日という猶予期間のスタート日が、米国が追加関税を課すことを決めていた2019年1月1日ではなく、米中首脳会談が行われた12月1日であり、期限は2019年3月31日ではなく3月1日であることが明らかになったことなど、米中首脳会談の進展に対する多くの疑問が出て来たことで、株式市場は過剰な期待を抱き過ぎたことに気付かされたことになった。

こうした状況下で株式市場は、その直後ファーウェイの会長兼CFO孟晩舟逮捕の報道によって、米中貿易戦争の深刻さが90日といった短期間で解決できるような代物でないことを突き付けられる格好となった。

好材料にも反応なし。ついに「調整局面入り」へ

先週には中国が「中国製造2025」の見直しと、米国による関税引き上げの報復措置として米国からの輸入車に課していた40%の関税を15%に戻すことを表明したが、株式市場はこれまでのような反応は示さなかった。それどころか、週末に大幅下落することになった。

これまで中国側からの譲歩を好感してきた株式市場が、こうした報道に反応しなくなってきたことは株式市場が「調整局面入り」したことを示しているといえる。

Next: 想定通りに「利上げ」実施か。先送りなら世界に混乱をもたらす…

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