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PayPay100億円もその場しのぎ…日本で電子決済が普及しない本当の理由とは?=シバタナオキ

日本は実は既に電子マネー大国?

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もう一つ忘れてはいけない事実は、日本は既に電子マネー大国であるという点です。
※参考:【2018年版】鉄道系ICカード発行枚数ランキング(鉄道ファンのクレジットカードのりば)

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この表にあるように、Suicaだけで累計発行枚数は7,000万枚を超えており、1年間で790万枚も発行されているという事実からも日本は既に巨大な電子マネー大国であるとも言えます。

QRコード決済普及に際しての最大の障壁とは

これだけ非接触ICカードが普及しているにもかかわらず、他の先進国に比べて未だに現金決済の割合が圧倒的に高い理由は、やはりどこからどう考えても店舗側の決済手数料の高さに原因があるのではないでしょうか。

店舗から見ると、ユーザーが現金で1万円の購入をすると1万円まるまる手に入るのですが、非接触カードやクレジットカード決済の場合、売上の3.24%が手数料として引かれるので取り分が減ります。マージンが低い小売店などにおいては積極的に現金以外の支払いをユーザーに勧める理由はないとも言えるでしょう。

ユーザー側から見ても普及が進まない理由があります。それは銀行口座から電子マネーにお金を移動させる際にかかる送金手数料です。この手数料が日本は非常に高いと言わざるを得ません。

銀行によっては、「残高に応じて月間数回ぶんだけ送金手数料を無料にする」というキャンペーンがよく展開されていますが、
自分の銀行口座から自分の電子マネー口座にお金を移すために、あるいは逆に電子マネーから銀行口座にお金を移すために毎回数百円かかる
ようでは、ユーザーとしては積極的に電子マネーで支払いをしようとは思わないのではないでしょうか?

スマートニュース代表であり、メルカリの社外取締役を務める鈴木健さんやメルペイの言葉をお借りすれば、日本の電子マネーは全く「なめらか」ではないのです。

Next: アメリカでは、なぜ電子マネーが普及しているのか

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