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PayPay100億円もその場しのぎ…日本で電子決済が普及しない本当の理由とは?=シバタナオキ

アメリカでVenmoが流行る理由

アメリカで大流行している個人間送金アプリに「Venmo」というものがあります。

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このアプリの最大の特徴は、自分の銀行口座からVenmoのアカウントにお金を入れたり、逆にVenmoのアカウントから自分の銀行口座にお金を出したりするのが完全に無料だという点です。

つまりVenmoのアカウントにお金を出し入れする際に全く手数料がかかることなく、とても「なめらか」な設計になっているといえます。

ではなぜVenmoでは、銀行口座と電子マネーの間の入出金が無料にできるのでしょうか?それを理解するには、アメリカの2種類の送金方法を理解する必要があります。
※参考:2種類の送金方法の特徴-Wire TransferとACH Transfer-(資本主義社会で生き残るためのブログ)

この記事にあるように、アメリカの銀行には、「Wire Transfer」と「ACH Transfer」という2種類の送金方法が存在しています。

*ACH=Automated Cleaning Houseの略。

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Wire Transferというのは、ほぼリアルタイムで送金処理が行われる一方で、コストが非常にかかる送金方法です。

一方でACH Transferというのは、1日1回のバッチ処理で送金処理が行われるのでリアルタイムではありませんが、非常に安価な送金方法になっています。

Wire Transferは1回の送金あたり数十ドルかかる場合が多く、ACH Transferは毎月一定の送金件数までは無料で提供される場合が多くあります。

ACH Transferというのは、元々小切手の精算に使われていた方法です。アメリカでは今でも小切手が利用されています。支払元が発行した小切手を受取人が銀行に持っていくと、小切手に書かれている金額を銀行が読み取って、支払い元の銀行口座から送金処理を行うという流れになっています。この処理を1日1回のバッチ処理で行っていたのがACHの起源です。

ちなみに、Wire TransferとACH Tarnsferにはアメリカ合衆国の連邦準備銀行が運営するシステムと民間のシステムがありますが、連邦準備銀行のシステムをFedwire、FedACHと呼びます。(FedはFedral=連邦の意)

アメリカではユーザーではなく銀行が、Fedwire・FedACHに対して送金ごとにいくらの費用を支払っているのかという「銀行から見た場合の費用」が公開されています。

Wire Transferの場合、1送金あたり$0.032(3.2円)
ACH Transferの場合、1送金あたり送金側が$0.0010 (0.1円)、受取側が$0.0003 (0.03円)

ACH Transferの方が1/30程度のコストで送金できることになります。
※参考:Fedwire® Funds Service 2018 Fee Schedules (Federal Reserve Banks)
※参考:FedACH® Services 2018 Fee Schedule (Federal Reserve Banks)

その結果として、ACH TransferはWire Transferの80倍も多く利用されているのです。アメリカに住んでいて利用する送金は、ほぼACH Transferになります。しかし、ACH Transferは実際送金をすると数日かかることがほとんどです。

Next: 日本の送金が「なめらか」になれない最大の理由とは?

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