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「料理」に例えると分かりやすい!アベノミクス相場ここまでのまとめ=元ファンドマネジャー・若林利明

2015年…デザート相場(日経平均+8%:10月末)

今年は残り2ヶ月ですが、このままで推移すると外国人投資家は売越しの年になりそうです。アベノミクス登場以来の円安を考慮しても、2013年以来の株価上昇後とあって多くの外国人投資家は利食い状態になっています。

日経平均2万円の達成後から、売買代金が極端に薄くなりました。よほどのサプライズ銘柄でもなければ積極的買いに入らない状態です。ときどき、面白そうな銘柄を若干つまむ程度の動きです。あたかも満腹時のデザート選びのようです。

その間、中国株の暴落の影響を受け東京市場も崩れかけますが、その動きの落ち着きとともに、相場全体を見渡し利益の中身を再度吟味、美味しそうなものにとりあえず打診的な買いを入れているのが現在の様子です。

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

日経平均株価 週足(SBI証券提供)

満腹状態での「美味しいもの探し」は続く

当面これまでの余韻で満腹感は残るようですが、低金利という消化機能促進剤が働く市場環境下では、美味しいものに対して食指が伸びる余力はまだありそうです。

特に直近、10月に見られたように外部要因により売り込まれ安くなった株価を、美味しく食べられる価格として物色する動きは健在です。デザートを食べながら、じっくりと美味しく食べられるものを待つ姿勢は今後も重要かもしれません。

筆者プロフィール:若林利明
外資系機関投資家を中心に日本株のファンドマネージャーを歴任。現在は創価女子短期大学非常勤講師、NPO法人日本個人投資家協会協議会委員。世界の株式市場における東京市場の位置づけ、そこで大きな影響力を行使する外国人投資家の投資動向に精通する。著書:「資産運用のセンスのみがき方」(近代セールス社)など。

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投資の視点』(2015年10月11日号)より一部抜粋

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