五輪の前年にいろいろなショックが起きている
今後はボラティリティがきわめて高い状態が続きます。その中で戻り売り戦略を継続します。ボラティリティが高くなりますので、19年はトレーディングを上手くやることが肝要です。
19年は「トレーダーの年」になります。「BUY AND HOLD」などの長期投資は報われないと考えています。「QUICK IN AND QUICK OUT」でトレードすることが肝要です。
間違ったら、すぐに手仕舞いし、次に備えることです。そして、大半を現金にし、余裕資金だけでトレードすることです。
このルールを守ることが、19年の市場ではきわめて重要です。長期投資を再開するのはまだまだ先でしょう。20年までのチャンスを待ちたいと思います。
「株価は割安」と判断できる水準になるには、ダウ平均は1万5,000ドル、S&P500は1,500ポイント、ナスダック指数は4,000ポイントです。相当下の水準です。
ハイテクバブルの崩壊当時と同じような下げになるでしょう。
市場関係者のほとんどは、いまの株価下落を「リーマンショック」と比較しています。これが大きな間違いです。いまはハイテクバブルと同じ局面です。
株価の調整期間も3年程度と長くなるでしょう。長期投資のポジションは、ここまで下げる過程で構築することで、心理的な安心感を保つことができます。それまではトレーディングに徹することが肝要です。
20年には東京五輪・パラリンピックがあります。近年は五輪開催の前年に、いろいろなショックが起きています。
16年のリオ五輪の前年にはチャイナショック、12年のロンドン五輪の前年には欧州債務危機、08年の北京五輪の前年にはサブプライムショック(08年にはリーマンショック)がありました。
何の因果かはわかりませんが、事実としてこのような事態になっていたことは念頭に入れておきたいところです。
中国景気の懸念も、今後は米国株や世界経済の重石になるでしょう。
中国人民銀行は、金融機関から強制的に資金を預かる比率である預金準備率を1.0%引き下げると発表しました。
長期化する米中貿易摩擦の影響で経済の減速感が強まる中、金融面からの景気下支えを強化する方針です。かなり慌てている様子がわかります。
今回の引き下げは昨年10月以来で、今月15日、25日の2回に分けて実施します。
準備率の引き下げにより、金融機関は手元に保有する資金が増加することになります。市中に出回るお金は1兆5,000億元増える見通しです。
人民銀はこうした資金が民間企業の資金繰り支援などに活用され、経済活動が活発になることを期待していますが、人民銀は「金融政策を慎重に運営する姿勢に変化はない」とし、大規模な金融緩和には当たらないと強調しています。
しかし、景気が崩れるのを未然に防ぎたいという意思の表れと見ることができる一方、それだけ厳しい状況にあるということです。
中国の実質的な経済成長率はすでに4%台にあるとの指摘もあります。中には、3%台との指摘もあります。
いずれにしても、中国の長期的な大幅な経済拡大は終了したといえます。今後は厳しい状況が続くことで、日米欧の景気はこれに大きく影響を受けることになりそうです。
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