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2019年の米国株は「甘く見ない」!安易な上げに飛びつかないように注意が必要=江守哲

これ以上の金利引き上げは、景気悪化の引き金となる可能性

パウエルFRB議長の発言が材料視され、金利も大きく上昇しました。これは、非常に興味深い動きといえます。

つまり、パウエル議長は「景気悪化と株安を懸念している」ことを意識していることを認め、これまでのFRBの見方が間違いだった可能性を間接的に示唆したからです。

これは、メルマガで何度も指摘してきたことであり、ようやくパウエル議長が、私が指摘してきた問題点を認めたことになります。

つまり、これ以上の金利引き上げは「オーバーキル」になるため、これ以上の積極的な利上げはできないことを認めたわけです。

さらに言えば、利上げをすると景気も悪化する可能性を理解しているわけです。これは、すでに景気が頭打ちになっており、株価も下げ基調に入っていることを認めたことと同義です。

しかし、市場は利上げ停止を買い材料ととらえました。明らかに誤った考えです。いまの戻しはあくまで自律反発的なものであり、短期的な下げに対する買戻し主導の動きです。

利上げ停止が景気回復、株価上昇という解釈にはなり得ません。すでに米国株はピークアウトしています。

「利上げ停止が株安のサイン」とこれまでも何度も申し上げてきました。まさに、パウエル議長の発言はこのシナリオに見事に乗った発言といえます。

これで戻していけば、下げが厳しくなるだけでしょう。

そもそも、今回の調整が「バリュエーション調整」であることを忘れてはいけません。

株価形成の根幹である企業業績も気になりますが、これも昨年第4四半期の決算発表で、今後の傾向がはっきりしてくるでしょう。

つまり、米GDPの成長スピードに対して速すぎた株価上昇ペースは調整されざるをえないということです。

これは、金融政策の調整では止まりませんし、全く関係がありません。市場がいかに理解不足であるかを物語っているといえます。

このような、下げ局面での戻りがあるのが通常の動きです。上下動しながら下げていきます。

一直線に下げないのが難しいところです。いずれ下げるにしても、上下動するため、対応が難しくなります。

もちろん、安易にロングなどできません。ショートするにも、どのタイミングで行い、手仕舞いするかが非常に難しいわけです。

しかし、ショートを維持できれば、いずれ報われる相場であると考えます。

Next: 米株市場の動きを左右する、重要なチャートポイントとは?

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