パウエル議長は利上げペースを減速させることに含み
一方、前述のパウエルFRB議長の発言については、もはや説明の必要も無さそうです。
パウエル議長は4回に開催されたアトランタで開かれた米経済学会(AEA)年次総会の討論会で「インフレが落ち着いている状況では、利上げ判断は忍耐強くなる」とし、引き上げペースを見直す可能性を示しました。
また、利上げに不満を持つトランプ大統領が辞任を迫っても、「応じる考えはない」と明言しました。
さらに、世界的な株安について「市場が将来を先取りして下向きリスクを織り込んでいる」と分析し、「市場が発するリスクを注視し、今後の政策運営で考慮する」と発言するとともに、「必要なら政策を大幅に変える準備が常にできている」と説明しました。
FRBは昨年12月のFOMCで、今年2回の利上げ想定を示しましたが、市場では景気の先行き減速や米中貿易摩擦の影響を警戒し、引き上げは困難との見方もあります。
パウエル議長は、経済・金融情勢次第で利上げペースを減速させることに含みを持たせたといえます。
一方で、トランプ大統領が辞任を求めても受け入れない考えを強調しています。
パウエル議長は、「FRBは政治的ではない政策決定をする非常に強い文化を持っている」とし、政治から独立して金融政策に取り組む決意を表明しました。
トランプ大統領は利上げ方針に不満を募らせ、パウエル議長の解任を議論したとされています。
また、討論会に同席したイエレン前議長は、「大統領は金融政策について発言する権利があるが、批判が強まればFRBへの信認が損なわれる恐れがある」と憂慮し、バーナンキ元議長も「FRBが独立して政策判断をすることが明確であることが望ましい」と擁護しました。
もっともな発言といえます。
最後に今年と1月の想定レンジを掲載しておきましょう。弱気シナリオのレンジのみです。
【ダウ平均株価:2018年の想定レンジ】
弱気シナリオ2万483~2万3,675ドル、年末2万2,296ドル
【ダウ平均株価:1月の想定レンジ】
弱気シナリオ2万1,951~2万3,675ドル
【S&P500:2018年の想定レンジ】
弱気シナリオ2,183~2,561ポイント、年末2,336ポイント
【ダウ平均株価:1月の想定レンジ】
弱気シナリオ2,373~2,561ポイント
【ナスダック指数:2018年の想定レンジ】
弱気シナリオ4,794~6,871ポイント、年末5,224ポイント
【ナスダック指数:6月の想定レンジ】
弱気シナリオ6,064~6,871ポイント
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為替市場:ドル円は下落基調に転換
コモディティ市場:金は上昇継続、原油は戻りを試す局面
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本記事は『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』2019年1月7日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、バックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した日本市場や金、原油各市場の詳細な分析もすぐ読めます。
2019年1月7日号の目次
★新年のご挨拶
◎まぐまぐ大賞2018の受賞御礼
◎新メルマガ「江守 哲の「ニュースの哲人」~日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ」のお知らせ
☆トレード用インジケーターのご紹介
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*「EMORI CLUB」新年会のお知らせ
◆マーケット・ヴューポイント~「年前半はレンジ相場の可能性も」
*株式市場~米国株は上値の重い展開に、日本株は米国株の写真相場
*為替市場~ドル円は下落基調に転換
*コモディティ市場~金は上昇継続、原油は戻りを試す局面
◎今週の「ポジショントーク」~現金化からタイミングを待つ
○ヘッジファンド投資戦略~「大変だった18年が終わる」-投資戦略構築のポイント
◇ベースボール・パーク~「本年もお世話になりました。」
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