バリュエーション調整は始まったばかり、本格的な調整は年後半から
これまで「今後はボラティリティが高まる」とかなり以前から指摘し、実際にそのようになっていますが、これは今後も続きます。仕方がありません。
景気拡大の最終局面では、このようになると何度も解説したとおりの展開です。驚くことではありません。ですので、このような動きを大前提に対応するしかありません。
過去の値動きを見ると、年前半は大きな値幅でのレンジ相場になり、本格的な調整は年後半からになることが想定されます。
そのため、ショートする場合でも、買戻しを入れながら、慎重に行いたいところです。
ダウ平均は2万3,000ドルが重くなるとみていましたが、いきなりこれを超えてしまいました。なかなか見通しは難しいですね。
しかし、重要なチャートポイントである2万3,500ドルを超えるかをまずは確認したいと思います。S&P500は2,540ポイント、ナスダック指数は6,740ポイントが相当します。
これらを超えると、一時的に大きく戻す可能性があります。
これらを超えた場合には、それぞれ2万4,500ドル、2,650ポイント、7,000ポイントまで戻す可能性がありますが、ここが精いっぱいでしょう。
「米国経済は何も変わっていない」「株価の下落はマインドの悪化」との指摘もありますが、すでに9年間も上げています。
また、「クレジット・サイクル」からすれば、10年サイクルを前提とした調整があってもおかしくありません。むしろ、普通でしょう。
そもそも、住宅指標が明らかに悪化しています。「何も変わっていない」というのは誤った考えであり、株価が上がってほしいと考える向きのポジショントークでしかありません。すでに基調は下向きです。
昨年末の下落で、四半期チャートが完全に崩れました。3月末にダウ平均が2万ドル、S&P500が2,300ポイント、ナスダック指数が5,700ポイントを下回れば、さらに下落基調が鮮明になるでしょう。
繰り返すように、今回の株安は「バリュエーション調整」です。今回の株価推移はハイテクバブルと同じと考えています。
15年から16年当時と比較する専門家が多いようですが、私は全く考え方が違います。それはすでに何度も解説した通りです。
「バリュエーション調整」はまだ始まったばかりです。これが完了し、調整が行き過ぎるまで長期ベースのロングは難しいと考えています。
ダウ平均で1万5,000ドル程度まで調整すれば、安心して買うことができると考えています。少なくとも、1万8,000ドル以下になるまで、いまの市場をじっくりと見ていきたいと思います。