fbpx

2019年の相場は「価格破壊」、日経平均1万2,000円の超株安・1ドル90円の超円高に警戒を=長谷川雅一

日経平均株価の「基準」も失われる

2019年(今年)の日経平均株価はどうでしょうか。これもやはり、「基準喪失(価格破壊)」を警戒すべきだと考えます。

昨年末からのNYダウは、すでに従来の「基準(割安感)」を失っています。

2018年10月初旬には2万7,000ドル付近だったNYダウは、12月26日に、一時、先物価格で2万1,500ドルを割り込むレベルまで下落しました。2万7,000ドルから2万3,000ドルまで、4,000ドル下げたところで、すでに十分な「割安感」があったハズなのに、下落が止まらなかったのです。

さすがに2万1,500ドル付近からは反発しましたが、その後もスッキリ上昇することはできず、上値の重い展開が続いています。要するに、米市場(NYダウ)には、いまだに「割安感」がないのです。

このところのNYダウは、1日、1,000ドルの上下変動が珍しくなくなりました。5分間で100ドル動くなどは、もう「当たり前」です。

これまで、トレーダーは「1,000ドルも下げれば反発するさ」という感覚を持っていましたが、今や「1,000ドル下げは当たり前」であり、4,000ドル下げても、5,000ドル下げても、「まだ下がるのでは」という不安感、恐怖感を払拭できません。

もしもこのあと、ある時期に、NYダウが毎日1,000ドルずつ、1週間下げ続けたとしましょう。NYダウが1週間で5,000ドル下落すれば、日経平均も1週間で、最低でも5,000円は下落することになります。

これは、ありえない話でしょうか?

アルゴリズム取引が市場で跋扈(ばっこ)する今、NYダウが1週間で5,000ドル下落といった極端な値動きが現実となっても、おかしくありません。

日経平均12,000円の「超株安」がありえる

では具体的に、今年の日経平均株価がどうなるか予想します。

2015年8月、チャイナショック前の日経平均株価は、2万0,500円付近で推移していました。翌2016年6月24日、日経平均株価は1万5,000円を割り込みます。チャイナショック以降、日経平均は10ヵ月はどで、約5,500円下落したのです。

このあと、これと同じことが起きると仮定しましょう。現在の日経平均株価は1万9,500円付近にありますので(※編注:原稿執筆時点2019年1月4日)、1年後の日経平均は、5,500円下の1万4,000円になっている可能性があると言えます。

ただこれは、やや「甘い予想」です。政府の大量買い支えの限界が見え始めることなどもあって、僕は、さらに、2,000円ほど下ブレしてもおかしくないと考えています。つまり、1年後の日経平均株価が、1万2,000円まで下がっていたとしても何ら不思議はないというのが僕の予想です。

トランプ大統領という「連続悪材料製造装置」が稼働し、アルゴリズム取引という「暴落誘発装置」が彼の相棒を務める今、株価は基準を喪失して、どこまで下げるかわからない。それが僕の相場見通しです。

為替(ドル円)と同様、株についても、今年は、日経平均1万2,000円といった「超株安」がありえると警戒すべきです。株のトレードにあたっては、これまでの「割安感」は捨てて、慎重に投資した方がいいでしょう。日経平均が安くなったからと言って、安易に買うべきではない、ということです。

Next: 仮想通貨は「氷河期」を迎え低迷する/投資家は「超円高」と「超株安」に備えよ

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー