「リタイア後は資産を切り崩すのを前提にしている」FPには気をつける
それでは、前置きはこれくらいにして、早速、FPの口ぐせに入っていきたいと思います。
最初に取り上げるのは、「リタイア後は資産を切り崩すことを前提に話をする」FPです。実はこういうFPは結構いますし、Webの記事でもよく見かけます。
なぜ、この主張に気をつけたほうがいいのかと言うと、資産を切り崩すだけでは、いずれなくなってしまう可能性があるからです。
たとえば、寿命を80歳と仮定して、生活費を月々30万円と見積もったとしましょう。65歳から80歳までの資産5400万円を準備したとします。計算通りに毎月30万円ずつ使っていき、80歳の誕生日を迎えた場合、その後はどうなるのでしょうか?
ポイントは、「寿命は自分では決められない」という現実です。
90歳まで生きるのが普通
現在、50歳以下の方々が老後を迎える頃には、90歳代まで生きるのが普通になっている、と言われます。ベストセラー書籍『LIFE SHIFTライフ・シフト~100年時代の人生戦略』によれば、2007年に日本で生まれた子供の半分は、107歳まで生きると予測されています。
自分で自分の寿命を選べないからには、長生きすることが不幸にならないよう、準備しておかなくてはなりません。
たとえば労働収入が入ってこなくても、投資による運用利回りを得られるようにしておけば、資産を減らさなくて済むか、もしくはなくなるのを遅らせることができます。
そうした状態をつくるには、「投資用資金を用意する」「投資について勉強する」等の事前準備が必要です。こうした視点を持つFPならば、資産の切り崩しを前提に話を進めたりはしないでしょう。
老後というのは、労働収入を得られない分、「今までに蓄えたお金と運用益で生きていく」、ということであり、なるべく原資が減らないのが理想です。
「そのために必要となる金額はいくらなのか?」ということを把握し、そこに向けた準備をするのは、早ければ早いほど有利になります。私たちのマネースクールでは、まさにこの観点からお話をするようにしています。