市場の期待とFRBの期待に乖離。おめでた過ぎる今のマーケット
利上げを受けての株高は、市場が期待通りに動いたFRBに対する敬意であり、利上げできるほど米国景気が強いことに対する対する安心感だと解釈するのは少々おめでた過ぎる。
FOMCメンバーが、なぜ1年後のインフレ率を下方修正する中で利上げに踏み切ったのか、なぜ来年末まで市場予測を上回る4回の利上げを見込んでいるのかを冷静に考えておく必要がある。
これは、この先の市場の期待と、FRBの期待には乖離があるということだ。
こうした乖離をイエレン議長がうまく埋めてくれるのか、それとも市場がこうした乖離が存在することを認識して謙虚になるのか。
どのような形で市場とFRBの期待の乖離が顕在化するのか、あるいは埋められていくのか。
現時点ではこれがこの先1年の市場の最大の注目点である。
『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2015年12月18,19日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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