ネット上で相次ぐYahoo!スコアへの批判
すでにネット上では、Yahoo!IDの初期設定でYahoo!スコアの作成に同意する状態になっていることに対する批判の声があがっている。
また、「自分のスコアが確認できない」ことを不安視する声も多い(ただし、私は点数を個人にオープンにするのはやめたほうがいいと考えている。信用スコアの点数を上げることがあらゆることに優先するという異常な社会になってしまうおそれがあるからだ)。
それはともかくとして、Yahoo!スコアに対して少なからぬユーザーが、疑問や不信感を抱いていることはたしかだ。
そのことについて、ヤフー側も神経質になっており、担当者に取材すると、「一方的に、突出した部分だけ取り上げていろいろいうのはフェアではない。指摘されるような面もあるかもしれないが、プライバシーには十分配慮しているし、たとえばヤフーの検索履歴はスコアには入らない。パートナー企業が提供するさまざまな利便性にもっと目を向けてほしい」という声が返ってきた。
ユーザーにメリットはあるのか?
しかし、Yahoo!スコアの現在のメニューを見た限りでは、残念ながらそれほど魅力的なものはない。ヤフーにしても「いまはまだ決定打となるようなサービスを提供できていないけれども、なんとかこれだといえるようなサービスを早く開発していきたい」というのが正直なところだろう。
したがって、まずはとにかく消費者にアピールできる態勢を整えてほしいというのが私の偽らざる心境だ。いまのままでははたしてこの日本社会で事業として存在する意義があるのか、何のためにこの事業をやるのかが見えてこない。
さらにいえば、前述したリーマンショックにまでさかのぼって考える必要があるということだ。リーマンショックは、住宅バブルに乗じて貸付先を強引にサブプライム層まで広げた。それが取り返しのつかない破綻を引き起こした。
つまり、信用スコアは使い方を一歩間違えると、世界を破滅に追い込みかねない。