REIT基準で考えると今の株価の3倍の価値が見込める
増資を頻繁に行う銘柄と言えばREITです。例えば、「大和証券オフィス投資法人<8976>」は2014~2016年にかけて3年連続で増資しています。REITは成長のために資金を借り入れますが、それだけだと財務状況が悪化するため、増資によって自己資本を強化するのです。
同じ不動産賃貸業であるユニゾHDの増資も基本的に同じ考え方です。しかし、REITの増資はさほど嫌われない一方で、ユニゾHDの増資だけが嫌われるというのは本来おかしな話です。
ユニゾHDを不動産に投資するREITと比較してみると、その本来の価値が見えてきます。REITで重視される投資指標は、純資産(NAV)倍率と利回りです。
【NAV倍率】0.25倍 vs 0.8~1.3倍
NAV倍率とは、株価が時価評価した不動産の何倍かを示す指標です。不動産は評価額がブレにくいため、合理的に考えると1倍が妥当水準であり、実際に上場しているREITは0.8~1.3倍に収まります。
同様の基準でユニゾHDのNAV倍率を計算すると0.25倍で、保有不動産時価の1/4しかありません。これは、1億円の物件が2,500万円で買えるということです。法人税を踏まえて7掛けで考えても、ユニゾHDには2.8倍の「安全域」があると考えられます。
【利回り】12.5% vs 3.2~3.6%
REITの分配金利回りは3.2~6.5%です。ユニゾHDの配当利回りは3.5%ですが、ここで両者の仕組みの違いを踏まえる必要があります。REITは利益の9割以上を配当しなければなりませんから、利回りは必然的に高くなります。
ユニゾHDが利益の全額を配当したとすると、利回りは12.5%に上ります。利回りがREIT平均の4.5%に調整されたとすると、ユニゾの株価は2.8倍まで上昇余地があるということになるのです。偶然ながら、NAV倍率で見た場合とちょうど同じ数字です。
すなわち、ユニゾHDがそのままREITになったとすると、現在の株価から2.8倍の価値が見込まれるということです。もちろん、REITも株式も価値の源泉は変わりませんから、それだけユニゾHDは割安だと確信を持って言えます。
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