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ドイツよりも日本の銀行がもっと危ない。政府の問題先送りで地銀も都市銀行も潰れていく=矢口新

1997年から見れば企業はほぼゼロ成長

いずれにせよ、ほぼゼロ成長で、その間の2009年、2011年、2012年などは、500兆円を割り込んでいた。

つまり、戦後最長の経済成長は、落ち込んだところからゆっくり時間をかけて原状回復を達成したものなのだ。

1997年と比較しての意味では、「ゼロ成長」は間違いではない。

ちなみに、1997年は消費税率を5%に引き上げた年で、私はこれが日本の経済成長を止めた主因だとみている。

ともかく、世界でゼロ成長は日本だけ、あるいは厳しい経済制裁により成長を止められている国々だけで、それも限られた少数の国々だけだ。

マイナス金利で滅ぶのは地銀だけじゃない

マイナス金利政策下の国々の銀行経営は、「厳しい環境下」にある。日本の場合は、ゼロ成長も伴っているので、「非常に厳しい環境下」にあると言えるのだ。

そんな中で生き残るために過大なリスクを取っているのは地銀だけではない。「次の不況期に、元本ごと失う可能性がある」のは、大手銀行が取っている海外のリスクも同様だ。

日銀ができるのは「リスクの先送り」だけ

そして、そうしたもしもの場合に日銀にできる追加緩和の余地は、量的(資金供給面)にも質的(金利面)にも事実上なく、政府の方は大赤字、大借金だ。

日本の政府当局ができることはこれまでと同じ、「リスクの先送り」だけしかない。

Next: 消費増税がさらに事態を悪化させる?銀行を救えるのは経済成長だけ…

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