いくらまで延納が認められるのか
続いて、延納が認められる金額はどれくらいなのかという点についても説明していきましょう。
例えば、延納申請者が200万円の相続税を納めなければならないにも関わらず、150万円の現金しか持っていないとしましょう。
そこで、所有する現金の全額150万円を相続税として納税し、残り50万円を延納申請したらどうでしょうか。
一文無しになってしまい、生活できなくなってしまいます。
こうならないように、現金や預貯金、債権や保険金などの解約・換金による負担が少ない財産をかき集めた中から、3ヶ月分の生活費を確保した上で、その残りの資金を一旦、相続税として納税し、納めきれなかった相続税額については延納を申請することになっています。
ちなみに、延納申請者が事業主である場合は、これにプラスして1ヶ月分の運転資金も確保することができます。
ここでいう生活費とは、前年の収入から税金や社会保険料などを差し引いた額を1/12にした額に基づいて1ヶ月分の生活費を算出することになり、延納申請者の他に生計を共にしている家族がいる場合には、それも考慮した額を生活費として考えることになります。
延納すると利子税が高くつく?
そして、最も気になる利子税。
利子税は相続財産の内容に応じて、1.2%~6.0%の税率が設定されています。
税率によっては、銀行から融資を受けて納税する方が負担は軽くなるかもしれませんので、延納と銀行融資をどちらにするのかは慎重に考えた方が良いでしょう。
納について解説させて頂きます。
最終手段の物納とは?
物納とは読んで字の如く、物によって相続税を納税することを指します。
相続税の納税方法の最終手段である物納は、莫大な相続税を納めなければならないにも関わらず、手持ちの現金が少ない、かつ、簡単に換金できる財産が少ない場合に、認められることが多いです。
ちなみに物納は、相続税以外の税金には認められていない納税方法です。