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年金、あと30年で枯渇へ。生涯現役を強制される若者にもう老後はない=矢口新

現在20歳の若者は8年9ヶ月長く働く必要がある

「保険料支払い対象者を月額5.8万円以上の収入を得ているすべての雇用者、およそ1,050万人拡大すると、財政均衡時点が早まり、所得代替率は4%超程度引き上げられる。基礎年金支払い年数を現在の60歳から65歳までに延長すると代替率は6%超上昇するとの試算も示した。

現在20歳の若者が今年65歳の人と同じ水準の年金を受け取るには、68歳9カ月まで働いて保険料を納め、年金をもらい始める年齢も同様に遅らせる必要がある。今年65歳になる高齢者と比べて働く期間を8年9カ月長くすれば所得代替率61.7%が維持できる。

今年で40歳の人は67歳2カ月まで働き、それまで年金の受け取りも遅らせれば、今の65歳と同じ年金水準になる。

一方で、国民年金のみで見た所得代替率は2019年現在36.4%。現在、国民年金のみの加入者が保険料を40年間支払って受け取る年金額は月当たり約6万5,000円となっている。

日本の高齢者の所得のうち、労働所得は38.7%を占める。米国の35.2%を上回り、日本の高齢者就業は世界でも進んでいる。

一方、配当など資本所得の占める割合は10%で、米国の13.9%やフランス17.2%、英国12.1%を下回る」。

月収5.8万円以上ならパートやバイトでも年金を負担?

年金保険料支払い対象者を拡大するというが、

「国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入して、社会全体で支え合う公的な制度です。現役時代に被保険者として加入して、月々の保険料を納めることにより、将来、自分自身の生活を保障する年金を、生涯にわたって受け取ることが出来ます」

とあり、満額を受け取るためには、学生でも無収入でも、「定額保険料 1カ月16,340円(平成30年4月から)」を納める必要がある。

従って、ここで述べられている新たな対象者とは、厚生年金保険・健康保険(社会保険)の支払い対象者だ。つまり、現在「所定内賃金8.8万円以上、雇用期間が1年以上の見込み、学生でない」などとされている加入資格を、月額5.8万円以上の収入を得ているパートやアルバイトを含むすべての雇用者に拡大するということだ。

Next: 年金だけじゃない?健康保険料、介護保険料も制度存続の危機へ

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