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チャイナ・ショック以下のISM製造業指数も株価復活…米国経済は何で崩壊するのか?=栫井駿介

先週の日経平均株価は、3日(木)に大きく値下がりしました。下落要因は、米国の製造業指数が予想を下回ったことでしたがNYダウは直ぐに盛り返しました。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

製造業の減速も問題なし!米国経済の強さと決定的な弱点とは

株価の下落要因とその後の回復はアメリカの経済構造を見ればわかる

今週の日経平均株価は3日(木)に大きく値下がりしました。下落幅は約500円と、1日の下落幅としてはなかなか大きな方です。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

下落要因は、米国の製造業指数が予想を下回ったことです。50を下回れば不調と言われる指数が、今年に入って最低の47.8を記録しました。これは2015~2016年にかけてのチャイナ・ショックも下回ります。

グラフを見るとわかるように、この1年で製造業指数は明確に悪化しています。景気後退の足音はすぐそこに迫っています。

しかし、それでもダウ平均は下落後再び盛り返してきました。

出典:同上

出典:同上

その理由は米国の経済構造にあります。米国の製造業がGDPに占める割合は11%に過ぎません。これは1970年の25%、1990年の16%から大幅に低下しています。米国の製造業はほとんどが中国をはじめ海外に移転してしまったのです。

一方で、GDPの約7割を占めるのが個人消費です。米国人は一般的にあまり貯金をせず、クレジットカードを使って大量に消費しますから、これが経済を支えています。移民と、移民が生んだ子供による人口増加が経済を拡大させるため、米国人は心配することなくものを買い続けられるのです。

だからこそ、製造業の落ち込みなどどこ吹く風です。みんながクレジットカードをバンバン使い続ける限り、米国の勢いはとどまるところを知らないのです。

米国経済の脆さとは?次の暴落を引き起こす「事件」

しかし、実は米国経済も脆いところがあります。

彼らは資産の大部分を株や投資信託、不動産で保有しているので、これらの変動にはひどく敏感です。すなわち、株価が下がると慌てて財布の紐を締めるので、さらに景気が悪化して株価が下がるという悪循環に陥ってしまうのです。

つまり、米国経済は「これはもうダメかもしれない」という「ショック」にとても弱いのです。これまでも、リーマン・ショックをはじめ、ITバブルの崩壊、9.11、チャイナ・ショックなど、衝撃的なことが起きると景気・株価は敏感に反応しました。

したがって、次に株価が大きく下落するのは、ショックのきっかけなる「事件」が発生した時と想定します。具体例を挙げるとしたら、以下のようなものがあるでしょう。

トランプ大統領の辞任(罷免)
中国不動産価格の暴落
大型企業の倒産・業績不振
もちろん、想定できないことが発生したときこそインパクトは大きくなりますから、全く別のところから事件が出てくるかもしれません。

すでに金利の逆イールド中国経済の悪化など、様々な悪材料は出てきています。市場も強気一辺倒ではなく、むしろビクビクしながら投資している印象です。市場が暴落するための下地はすでに出来上がっているように見えるのです。

Next: アメリカの経済が崩壊したとき、日本経済はどうなるのか?

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