傷つくリスクはあるが、そのリスクを冒すだけの価値がある
心の豊かさとは、喜びや悲しみなど、様々な感情を体験し、重層的な自分をつくっていくことによってもたらされます。
人間が持つすべての感情を経験し、それを処理していくことで精神は成熟していきます。
しかし、傷ついたり悲しんだりという感情を経験しないと、その方面ではひどくもろく、偏った心のまま、弱点を残したまま大人になります。
そしてもし、自分の弱点がさらされる場面に遭遇すると、ひどく動揺したり、落ち込んだり、思考力が低下し適切な判断ができず、不利な状況になってしまいかねません。
特に異性関係では仕事以上に心が動揺し、傷つく場面も多いものです。
内向的な人間は、傷つきたくないために異性に働きかけることを避けるのですが、そこが自分の弱点だとわかっていても、どうしても傷つかないよう行動してしまう。
傷つく可能性があるなら、最初から引きこもることを優先してしまう。
これがいま、特に男性の全世代的に蔓延しています。
そう、草食系男子の全年齢波及です。昨今の男性は女性からのアプローチがなければ動けないのです。
ただし女性の場合、内向的性格がすべてマイナスかというとそうでもありません。
美しい容姿と自分の内面をあまり明かさないその寡黙さとがマッチすると、神秘的な雰囲気を持つ非常に魅力的な人物像になることが指摘されています。
そういう意味では内向的な女性は、とりあえず外見を磨けば恋愛結婚に不利にはなりにくいでしょうし、肉食系男子からはいまでも絶大な人気です。
しかし昨今の草食系男子の増加により、職場などで肉食系男性との出会いに縁が薄い場合は、その内向的な性格がむしろ災いします。
というのも、内向的な女性は男性からのアプローチを待っていますが、草食系男子も女性からのアプローチを待っているため、マッチングできないからです。
ただし、そうやって異性から逃げてばかりいるとますます恐怖に感じ、対処するのが難しくなります。
なぜなら、回避することでますます「いやなこと」という判定が意識に強く刻み込まれるからです。
前述のひきこもりが抜け出せないのも、他人との関りを避けてきたために、心の中でその不安が膨張し、ますます恐怖に感じてしまうからです。
だから、小さなステップでもいいので意識的に挑戦することです。
挨拶から始めて、時間をかけて自分を開示し、相手の反応をよく観察しながら、相手の感情を尊重しながらタイミングを見極めて誘いをかける。
そうやって経験を積み、女性の好み、女性の感じ方を学習していく。
もちろん傷つくこともあるでしょう。仮に傷ついたとしても、そのリスクを冒すだけの価値が恋愛・結婚にはある、というのが前述したとおり私の考えです。